2024/11/30

サイレント映画の伴奏曲集“後編”も弾いていくよ!「夕べの祈り」

わたしが使っているマンドリンは、1927年(昭和2年)に作られたエンベルガーマンドリン。

このマンドリンと同じ年に発行された“ヴァイオリン・マンドリン楽譜”を手に入れては、弾いております。

最近は、「現代映畫伴奏曲集」(げんだいえいがばんそうきょくしゅう)という曲集を弾いています。

明治~大正~昭和初期の映画はサイレントだったので、弁士が内容を説明し、楽士が音楽を演奏していたんですって。今思うとぜいたくですねえ。

マンドリンを弾く楽士って、どのくらいいたのかな?どんな映画にどんな曲を弾いていたのかな?…と、興味は尽きません。

できることなら、サイレント映画のマンドリン楽士になりたい~♪

という、果なき野望を抱きつつ、ぼちぼち修行しております。


今回弾いたのは…「夕べの祈り(いのり)」

「現代映畫伴奏曲集 後編」(22)夕べの祈り/mandolin


古い楽譜を紹介!

《表紙》
シンフオニー ヴァイオリン マンドリン 楽譜
SINFONIE VIOLIN OR MANDOLIN SOLOS
現代映畫伴奏曲集 後編
映畫音樂研究會編 NO.4

表紙の絵は、おヒゲのカウボーイです。バキューン!

裏表紙《奥付》
昭和二年七月一日印刷
昭和二年七月三日發行
定價 金五拾錢
編者 映畫音樂研究會
印刷發行者 草野 茂
東京市牛込區西五軒町三十四番地
發行所 シンフオニー樂譜出版社
電話牛込六九〇九番
振替東京六九一二七番

「前編」は5月発行、「後編」はその2か月後ですね。早いな!

楽譜を見てみると…
おや、前編にはなかった数字が書かれていますね。
これは、ハーモニカ用の数字譜なのだそうです。
なるほど、この楽譜ひとつで、ヴァイオリンもマンドリンも、そしてハーモニカも演奏できるってわけね!お得ですね。

(22)夕べの祈り
極く靜なる場面
又は死の場面
と、書いてあります。後編は前編のように“伴奏音楽振付解説”がないので、説明はこれだけです。

作曲者はだれ?ナゾの曲…

それにしても、楽譜に作曲者名が載っていませんねえ。
この曲について調べてみたものの、作曲者はわかりませんでした。
また、原曲の楽譜やレコードなどの音源、他の人の演奏も見つかりませんでした。
和風なメロディですが、長唄や端唄など日本に古くからある音楽とは違い、西洋音楽の技法で書かれているように感じます。
子守唄など、歌詞のある歌ではないかというご意見もいただいているので、その路線でもう少し調べていきたいと思います。
わかったらお知らせしますね!

YouTube「ikekomandolin」のチャンネルでは、「大正~昭和初期のマンドリン楽譜を弾いてみた」という再生リストも作っています。古いマンドリン楽譜を弾いています。お時間ありましたら、どうぞごらんください♪

2024/11/23

合奏が楽しいから♪旭川市民マンドリンアンサンブル 第51回定期演奏会に出たよ

あれから3週間たってしまいましたが…、マンドリンのコンサートに出た!という報告です。

旭川市民マンドリンアンサンブル 第51回定期演奏会
2024年11月2日(土)18:00開場 18:30開演
旭川市大雪クリスタルホール音楽堂
(旭川市神楽3条7丁目)
入場料 700円(当日券あり)

左:プログラム表紙 右:チラシ

旭川はBFKと同じ道北ではありますが、BFKから朝バスに乗ってNYRで40分待ち、汽車に乗り換えて昼に着くような遠さです。
それでも、夏休みと10月の日曜練習に、えっちらおっちら通いました。
だって合奏が楽しいんですもの~!

10月の日曜練習は、いつもの中央公民館が使えず、別の場所でおこなうことが3回もありました。
大雪クリスタルホールのリハーサル室だったときは、まあ知っている場所だから行けました。
その翌週はボーッとして中央公民館の最寄りバス停で降りてしまい、公民館に行ってから「今日はここじゃなかった~!」と真っ青。
そこから永山住民センターまでバス1本で行けたからよかったけどさ…旭川は都会だわ。
その翌週の東部住民センターへは、念入りに調べて行きましたよ。


11月2日、ときおり雨がパラつく日でした。
ここ最近、冷えてきていたのですが、この日は生ぬるかったです。
ステージリハーサルをしていたら、暑い暑い…。
Sさんからいただいた遠目のリハーサル風景

ステージ衣装のブラウスを家から着てきたのですが、汗だくになってしまいました。うっかり者なので予備のブラウスを持つようにしていますが、まさか冬の初めに汗をかいて着替えるとは!
髪を切ったばかりなので、パーマがほとんど残っていません。カーラーで巻いてもすぐ取れました。ヘアアレンジは ねじりハーフアップですが、わかりにくいかも…。

 

第1部
・イエスタデイ・ワンス・モア   リチャード・カーペンター作曲/遠藤秀安 編曲
・Summer   久石 譲 作曲/青山 涼 編曲
・パヴァーヌ   ガブリエル・フォーレ作曲/中川信良 編曲
・オアシスにて   エリセオ・マルティ 作曲
「Summer」は映画のテーマ曲。中間部のディヴィジョンが難しかったけれど、組み合わさるとキラキラした感じになっていい感じでした。
「オアシスにて」は何度も弾いたことのある、マンドリンオーケストラの定番曲とも言える曲です。

第2部
・ふうりんろまん   青山 涼 作曲
・狂想的間奏曲   アマデオ・アマディ作曲
・ラスト・クリスマス   G.ミッチェル作曲/武藤理恵 編曲
・最後の宇宙船   青山 涼 作曲
第2部は、「旭川メンバー」という設定ですが、ワタシも入っていました(笑)。
「ふうりんろまん」は、マンドリンとギターの二重奏。わたしたちは舞台袖でうっとりしながら聴きました。わたしも弾いてみたいな~(でも重音トレモロが難易度高そうです)。
アマディは、弾いたことのある曲でしたが、これまでより難しく感じました。個人的には、いつも弾けていたところでなぜか撃沈…。
ワム!の「ラスト・クリスマス」は、原曲よりもポップで軽快なアレンジでした。
「最後の宇宙船」は、メンバー内でもアンケートでも評判が良かった曲です。易しい曲で、しかも気持ちよく盛り上がれました。終わってもしばらく、脳内をこの曲がぐるぐる回っていました。

第3部
・大きな古時計   ヘンリー・クレイワーク作曲/武藤理恵 編曲
・君が欲しい   エリック・サティ作曲/中川信良編曲
・魔女の宅急便より「かあさんのホウキ」   久石 譲 作曲/中野 薫 編曲
・異邦人   久保田早紀 作曲/遠藤秀安 編曲
・栄光の架橋   北川 悠仁 作曲/武藤理恵 編曲
1部と3部は賛助も加わって演奏しますが、賛助の方々もみな旭川に何かしらの縁がある方ばかり。遠くから演奏に参加していただき、ありがたいことです。
「異邦人」「栄光の架橋」はみんな知っているポピュラー曲で、しかもアレンジが難しい…。
「栄光~」は練習の時、ffのバーン!にビビってサビの高音メロディに入りそこねていましたが、なんとか弾けるようになりました。メンバーの曲に対する情熱が熱く、わたしも力いっぱい弾きました。

アンコールはサザンの「TSUNAMI」。自分にとっては、アンコールが一番難しい曲でした。いかにも桑田佳祐らしい歌い回しとか、間奏とかね。
でも、直前練習をがんばったので、本番がいちばんよく弾けました!

中学校のマンドリン部関係でお世話になったN先生から、お花をいただきました。ありがとうございます!!
なんと豪華な!わたしの大荷物と比較してみて。
帰りのレトロなローカル列車(1両)のテーブルに、存在感を放っています。

演奏会終了後の打ち上げではアンケートの回覧がありました。飲食あとまわしで読みふけりました。うっかりメガネを忘れてしまったので、音読してもらいました…。
ご来場が初めての方が多く、驚きました。また聴きに来ていただければ幸いです。
マンドリン部と思われる中学生の方、またそのご家族と思われる方もアンケートを書いてくださり、ありがとうございました。社会人のマンドリン演奏を聴いて部活動への意欲につながったようで、うれしいです!
旭川の高校にはマンドリン部はありませんが、「旭川市民マンドリンアンサンブル」があります。卒業後にいっしょに弾けたらいいですね。

マンドリンを知らない人や聴いたことのない人は、まだまだ多いと思います。旭川は文化の街ですから、これからも多くの方にマンドリンの演奏を楽しんでいただけたらうれしいです。
次回の定期演奏会は、2025年11月8日(土)です。
来年も出られたらいいな~。

2024/11/16

サイレント映画の伴奏曲集♪【発見】誰の「パストラル」か、わかったよ!

2024.7.29公開の記事に、2024.11.16 さらにわかったことを書き加えました。 

「大正~昭和初期のマンドリン楽譜を弾いてみた」シリーズ、前回に引き続き、今回もサイレント映画につける伴奏のための楽譜から一曲弾きました!

「現代映畫伴奏曲集 前編」(26)Pastorale パストラル/mandolin



使用した楽譜は、今回もこれ!
映畫音樂研究會編 NO.3
「シンフオニー ヴァイオリン マンドリン 樂譜 現代映畫伴奏曲集 前編」
東京の徳尾(とくのお)書店さんから購入しました。

昭和二年五月一日印刷
昭和二年五月三日發行
定價 金五拾錢
編者 映畫音樂研究會
印刷發行者 草野 茂
東京市牛込區西五軒町三十四番地
發行所 シンフオニー樂譜出版社
電話牛込六九〇九番
振替東京六九一二七番



解説には「山野又は公園等を背景としたる靜かな場面の散策、或は田舎、田園等の氣分を表はすに適す。」とあります。
たしかに、パストラルって感じの曲ですよね。田園風とか、クリスマスの雰囲気もあります。
弾いてみて感じたのですが、なんだか楽譜が中途半端だなあと思いました。
映画音楽だから次の曲に続くようにした、ということでしょうか。それとも、元の曲が長いので適当にカットしたのでしょうか。

さらに謎なのは、作曲者はだれか?ということでした。
作曲者はだれ!?→わかりました!
【2024.7.29時点】
いろいろ調べてみましたが、ぜんぜんわからないんですよ。
誰のパストラル?どのパストラル?
SPレコードや、他の人の演奏も見つかりません。
楽譜を調べてみましたが、ザメクニックさんの編集した映画音楽曲集やオーケストラ用曲集にも入っていません。
あまり有名でなかった曲なのか?昔は売れたけれど今に伝わっていない曲なのか?それともわたしの調査が足りないだけなのか!?
今後も探します…。
   ↓
【2024.11.16追記】
ぼちぼち調べているうちに、当時のサイレント映画につける伴奏曲集を作っていたのは、ザメクニックさんだけではないことがわかりました。

 ニューヨークのG. Schirmer, Inc.(シャーマー出版社)がSchirmer's Photoplay Seriesという映画伴奏用の曲集を出版していて、1918年発行の第4巻「Schirmer's Photoplay Series, Vol.4」「Pastorale」が入っていました。
作曲者は、オットー・ランゲ Otto Langey(1851-1922)でした。
その曲集の目次には、
PASTORALE      OTTO LANGEY
(Peaceful Country Scenes or Country Life)
と書いてありました。
「のどかな田舎の風景、または田舎の生活」の場面で演奏するとよいってことね!

パート譜がたくさんあって、管弦楽のオーケストラでも、またピアノとヴァイオリンだけでも演奏できるように作られています。
その楽譜を見ると、「現代映畫伴奏曲集 前編」に載っていた楽譜は前半の繰り返し部分までで、中間部は四分の二拍子・アレグロで、テンポ・プリモでテーマに戻るようになっていました。
そっか~、やっぱりその先があったのね。


YouTube「ikekomandolin」のチャンネルでは、「大正~昭和初期のマンドリン楽譜を弾いてみた」という再生リストも作っています。古書店から購入した、古いマンドリン楽譜を弾いています。どうぞごらんください♪

この曲集には、ほかにも速い曲や怖い曲、日本風や中国風の曲などがあるので、次はそういうのも弾いてみようと思います。


そうそう、「サイレント映画の楽士になりたい!」…と、ひそかに考えていたらさ~、キタ・キネマさんの主催で、サイレント映画をピアノ伴奏で上映する会があるらしいよ!

見たい~~~。やはり札幌は文化の街ですね。

奇しくも札教大マンドリンクラブOB会のコンサートと同日の8月24日(土)で、夜は打ち上げがあるのですよー。うわー残念。

次の機会があったら、ぜったい見に行くわ!

2024/10/29

もうすぐです!旭川市民マンドリンアンサンブルの定期演奏会に出ます♪

忙しくしている間に、もう迫ってきた~。
今年も旭川でマンドリンを弾きます!


旭川市民マンドリンアンサンブル 第51回定期演奏会
2024年11月2日(土)18:00開場 18:30開演
旭川市大雪クリスタルホール音楽堂
(旭川市神楽3条7丁目)
入場料 700円(当日券あり)

【チケット取り扱い・お問い合わせ】
・大雪クリスタルホール売店 
・ジュンク堂書店旭川店 
・コーチャンフォー旭川店ミュージックコーナー
・玉光堂イオンモール旭川駅前店 
・なかよし保育園(松田)

後援 旭川市・旭川市教育委員会


わたしは2020年から参加しているので、今年で5回目の定期演奏会です。

今回も『癒やしのひととき』にぴったりの曲が満載です。
お近くの方もそうでない方も、すてきな響きの大雪クリスタルホールにぜひ来てくださいね!

2024/10/14

サイレント映画の伴奏曲集より♪謎だらけの「ミステリオソ」

秋も深まり、すっかり寒くなってしまいましたが…夏に出した動画を紹介します。

サイレント映画の伴奏曲集をマンドリンで弾いてみた動画です。

「Mysterioso ミステリオソ」


今回もこちらの楽譜↓を使用しました。1927年発行のヴァイオリン・マンドリン楽譜。
見返り美人女優風のこの表紙です。
映畫音樂研究會編 NO.3
「シンフオニー ヴァイオリン マンドリン 樂譜 現代映畫伴奏曲集 前編」
 

《奥付》
昭和二年五月一日印刷
昭和二年五月三日發行
定價 金五拾錢
編者 映畫音樂研究會
印刷發行者 草野 茂
東京市牛込區西五軒町三十四番地
發行所 シンフオニー樂譜出版社
電話牛込六九〇九番
振替東京六九一二七番

この曲集の23曲目「Mysterioso ミステリオソ」

この曲集には、22曲目と23曲目に「Mysterioso」があるのですが、今回弾いたのは23曲目のほうです。
22曲目の解説には
「怪異、恐怖等の氣分を表したる曲にして、従來映畫伴奏としては暗夜の忍び込み(盗賊又は暗殺)等の最も怪異的場面に伴奏し來る。」
とあります。続いてこの曲、23曲目の解説は
「前者と同意味していづれも凄味を以て奏すべし。」
とありました。
こわい感じで弾いてみましたが…音の高さからか、凄みが出ていないかも。

例によって作曲者不明、楽譜の出どころもナゾ

いっぱい調べましたが、誰が作曲したのか、わかりませんでした。
もちろん、Thelonious Monk セロニアス・モンクのジャズの曲「Misterioso」ではないですよ~。
(そちらは1958年)

映画(当時はサイレント)の伴奏音楽として書かれた「Mysterioso」という曲には、
・J.S.Zamecnik(ザメクニック)さん作曲の「Mysterioso - Burglar Music -」が2曲
 (「Sam Fox Moving Picture Music  Volume1」1913年発行)
・Jens Bodewalt Lampe(ランプ)さん作曲の「Mysterioso or Forboding」
・ランプさん編集の映画音楽曲集に入っている曲「Mysterioso Pizzicato」
がありますが、どれもこの曲ではありません。


そして、この曲を演奏した動画も、みつかりませんでした。
もしかして、わたしが初めて弾いたのか!?
それとも、海外の作曲家によるものではなく、日本人による作曲とか…?
う~ん、こういう昔の楽譜を弾いていて、元ネタ楽譜や演奏が数多く出てくるパターンと、全く見つからないパターン、両極端ですね。
とりあえず調査は終了ですが、今回、イェンス・ボーデウォルト・ランプさんも映画音楽の曲集を作っていたとわかったのが収穫かな。

ikekomandolinのYouTubeチャンネルには、
大正~昭和初期のマンドリン楽譜を弾いてみた」という再生リストがあります。
楽譜の出版年順に並べてあるので、興味のある方はごらんくださいね!

2024/10/11

10月11日は、マンドリンの日ですよ~♪動画フェスやってます

 みなさーん、今日10月11日は「マンドリンの日」ですよ~!


北海道では、動画フェスをやっています。題して

「10月11日はマンドリンの日!」動画フェスin北海道2024

一般社団法人日本マンドリン連盟北海道支部のホームページで、北海道のマンドリン演奏動画を集めて紹介しています。

わたしも参加しているので、ぜひごらんくださいね。

今年はこれまでより参加者が多くて、とても一度では観られない~。(わたしもこの時点で、まだ上から4組しか観ていません)

でもだいじょうぶ、時間のあるときにゆっくり観てOK!

さらに、これまでの動画フェスも残っていて、いつでも観られます。→フェスの紹介ページからどうぞ。


個人参加では、わたしほんとうは、青山涼「夕凪」で出ようと思っていました。

そう思って、動画の最後に「マンドリンの日」って文字を入れたのですが、動画を出すのが早すぎたかも?

9月になってからユーミンの「花紀行」を作ったので、そちらで参加しました。

あと、Sound-Holeと旭川市民マンドリンアンサンブルでも出ているので、見てみてくださいね!


※後日談

やっと全ての動画を観終わりました。わたしの推しは、

・藤掛の「じょんがら」一人で七重奏!歌まで一人で歌ってるよ。とにかくすごい!

・尾崎豊「I LOVE YOU」オリジナルアレンジ四重奏。歌心のある演奏がすてき!尾崎豊の歌い方をマンドリンで再現しています。

・くしマンが二橋潤一氏に委嘱した組曲「釧路」!タイトルゆえに、他の地域で演奏される機会は少なそうな気もしますが、釧路あるいは北海道で長く何度も演奏されたらいいなと思う曲です。

2024/09/16

【2021年】大正15年のマンドリン楽譜♪ザメクニックさんの「ナポリの夜」

 【過去記事】こちらは2021年6月、引越し前のブログに書いた記事を再掲して加筆したものです。原曲探しをして、楽譜のリンクやレコードの動画などを追加しました。


自粛期間中にインターネットで古い音源や楽譜に出会って大興奮!

大正時代にマンドリン用の楽譜ってこんなに市販されていたの!?

当時好まれていた洋楽の雰囲気が味わえます。

二重奏の楽譜だったら、なんとかして合わせてみたい!

アプリは「アカペラメーカー」から、しだいに「4XCAMERA」を使うようになりました。

♪   ♪   ♪   ♪   ♪

大流行曲「ティティナ」オリエンタルフォックストロット「キャラバン」に続いて、わたしが弾いたのは

「ナポリの夜」

これも大正15年(1926年)の楽譜です。


楽譜の表紙と裏表紙。

シンフオニー ヴァイオリン マンドリン 樂譜
SIMFONIE VIOLIN or MANDOLIN DUET No.96
Neapolitan Nights ナポリの夜
J.S.ZAMECNIK



夜空の天の川のような表紙。題字も当時の雰囲気が出ています。

楽譜のタイトル。
ナポリの夜 Neapolitan Nights
J.S.Zamecnik
Arr.By K.Yoshida.


裏表紙の奥付↓
大正十五年三月一日印刷
大正十五年三月三日發行
編者 シンフオニー樂譜出版社 編輯部
印刷兼發行者 草野 茂
東京市牛込區西五軒町卅四
發行所 シンフオニー樂譜出版社
振替東京六九一二七番
定價金貳拾錢

大正最後の年、まだ電話はない…

原曲は1923年

Neapolitan Nights
作詞 Harry D Kerr 、作曲 J. S. Zamecnik

1923年にSam Fox社から、ピアノ譜が出版されています。アメリカのメイン大学の公開ライブラリDigitalCommons@UMaine」で、PDFが見られます

この楽譜を弾いた演奏はこちら↓

John S. Zamecnik: Neapolitan Nights
(わたしにとっては)おなじみ、Phillip Searさんのピアノ演奏です。
1923年のピアノ譜を弾いています。
わたしの弾いた二重奏は、この楽譜にとても近いアレンジですね。


映画のテーマソングにも

「Neapolitan Nights (Oh, Nights of Splendor)」は、「FAZIL」という映画(1928年)のテーマソングになっています。
なんでも、アラブの王子とパリの娘がヴェニス(ヴェネツィア)で恋に落ちるという話らしいですよ。
えっ、ヴェニスなの?ナポリでなくて?
1926年、Sam Fox社より、ウクレレとピアノと歌のアレンジ譜が出版されています(→セカイモンで売られている!アメリカに、楽譜を持っている人がいるんだね~)


オーケストラバージョンききくらべ

Neapolitan Nights - Victor Salon Orchestra 1926
1926年、ビクター・サロン・オーケストラの演奏。
流麗な演奏です。

Neapolitan Nights - Salon Orchestra - 1926
1926年、Nathaniel Shilkret指揮、Salon Orchestraの演奏です。 
途中でマンドリンも入っていますね!

Edison..."Neapolitan Nights"...Herbert Soman's Salon Orchestra.
これも、わたしの弾いた二重奏にとても近い!
前奏のトリルのところとか…ね?
このレコードをもとにアレンジしたんじゃないかしら、と思うくらいです。


LONDON NOVELTY ORCHESTRA Neapolitan Nights (J S Zamecnik) REGAL ZONOPHONE M
このSPレコードは何年の録音かわかりませんが、ロンドン・ノベルティ・オーケストラの演奏です。マンドリンが華麗に動いております。
そして、後半に入ってくるホニャホニャした音は何?
もしかして、テルミンだったりして!?

Neapolitan Nights (John Stepan Zamecnik:music) ナポリの夜 Mari Ivonne マリ・イボンヌ独唱1936年 ルーナダンスオーケストラ
最後は、ちょっと後の時代になりますが、1936年(昭和11年)、日本で発売されたレコードらしいです。
なんと日本語訳で歌っています。スロー・ジャズの雰囲気ただよう演奏。
間奏に「サンタ・ルチア」が挟まれています。


YouTube「ikekomandolin」のチャンネルでは、「大正~昭和初期のマンドリン楽譜を弾いてみた」という再生リストがあります。
今後も、少しずつ弾いていきたいと思います!

2024/09/15

好きな靴の話

ここ一週間、重い風邪をひいてダウンしていたので、この三連休はひたすら家で養生しています…。

楽器を弾いたり本を読んだりする気力もありません。

でも、日一日と季節は秋へ移り変わり、少しずつしていた衣替えが追いつかなくなりました。そうだ、秋の靴を出さなくちゃ。

夏にお世話になったエナメルのサンダルの汚れを落としてから磨き、ボロボロになったパンプスやシューティにさよならをしました。

秋にはくのは、これにしようっと!

おっ?3足とも、フェリシモの「& Stories 日本職人プロジェクト」だった!
左から、夏もはいていた茶色のフィッシャーマンズサンダル(2023)、レッドブラウン色のレースアップシューズ(2024)、黒のライトステップシューズ(2022)。
そう、わたし革靴が好きなんです。

革靴好きの変遷

中学生の頃、通学用に買ってもらった黒い靴は合成皮革で、わたしは足幅が広く骨が出ているため、すぐに両横に穴が開いてしまいました。何足穴を開けたことか。
そんなときに出会ったのが、革靴。たしか中2のときでした。つま先が丸くて幅が広めでシューレースのある、マニッシュなのにかわいい靴でした。
しかもその靴、インソールに「ALFEE」って書いてあったの!ブランド物ではないしアルフィーとは関係ないと思うけれど、ここで出会ったのは、運命じゃない!?
はいてみると、やはり合成皮革より丈夫で穴があかないし、磨くとピカピカだし、なにより坂崎さんといっしょに歩いている気分でウフフフフ♪(妄想女子)
脳内BGMは「Crazy Boy & Lazy Girl」でした。

大学生のときに、さすがのALFEE靴もアッパーが裂けてこわれてしまいました。
次に買ったのは、ホコモモラのローファー。かかとが大きくてつま先がゴロンとした、おでこ靴でした。足幅の広いわたしには、はきやすく歩きやすかったです。
このおでこちゃんが視界に入ると、かわいくて気分が明るくなりました。

働き始めてからは服に費やす余裕ができたので、北海道の今はなきアパレルブランドHASSINの服を買いまくっていました。新採用の秋に買ったダークブラウンのスーツに合わせてダークブラウンのローファーハイヒールを買い、どこでもガンガン歩きました。
ヒールの巻き革に傷がついたときは、同じ色の革を持っている修理屋さんを探して直してもらいました(さすが、札幌は都会だ)。

靴だいすきなだけに、買って失敗することもあります。
歩きやすさを謳ったある靴を買って、ちょっと散歩をしてみたところ、ソールがボロボロと崩れてびっくり!!とか。
店頭で試し履きをしてOK!と思って買ったのに、履いて歩いているうちにつま先や履き口が痛くなってもう歩けなくなったことも多いです。
お店で買った靴の中で、卑弥呼のブーツは当たりでした!足によく合い、中に入っているウォーターインソールが快適でした。

子どもが大きくなりマンドリンのおでかけも増えたころ、ベルメゾンベネビスの靴を買うようになりました。おしゃれで、ヒールが高くても履きやすいためです。サイズやワイズが合えば、通販でも自分に合う靴が買え、失敗しなくなりました。
白いストリングミュール(姫ミュールと呼んでいた)とか、スエードとスムースコンビのキトゥンヒール(色違いで2足持っていた)とか、何度もヒールのゴムを変えてもらいながら愛用しました。
7cmや9cmのヒールでも、ストラップがあればはきやすい!黒のアンクルストラップとエナメルベージュのバックストラップ、この2足は今でもステージ用として使っています。

ところがね…コロナの時期に外出しなくなって筋力が落ちたのか、それとも加齢でしょうか、それまではいていたハイヒールが足に合わなくなってしまったのです。
これはけっこうショック!
靴の中に滑り止めやクッションなどをつけてもだめでした。出先で歩けなくなり、札幌の大丸で急きょ靴を買うこと2回。
(2019年に作った曲「6つのマンドリンのための“Spring”」の1楽章は、きゃしゃなハイヒールにスカートで街を歩くというシチュエーションでしたが、そのときはまだハイヒールでガンガン歩けたってことですね)
もちろんスニーカーも持っているのですが、仕事用で、砂まみれ泥まみれになりがちです。
フェリシモ「& Stories」というブランドで質の高くはきやすい革靴を作るようになったので、徐々にそちらを買うようになり、現在に至ります。
ちょっとクラシカルなテイストの靴が、最近の好みです。

買ってみたけれど気に入らなかったブランドもあったし、流行っているけれど好きになれないデザインもありました。お値段いいのに壊れやすい靴、合わない靴もありました。
合成皮革の靴も持っていますが、やはり寿命は短いです。革靴は、手入れして修理して、長く使えるのが良いところです。
やっぱりね、服でも靴でも、気に入ったものを長~く使いたいと思います。

2024/09/12

サイレント映画の伴奏曲集を弾いてみた♪「デース シーン」…からのナゾ

 「大正~昭和初期のマンドリン楽譜を弾いてみた」シリーズ、サイレント映画につける伴奏のための楽譜から一曲弾いてみたよ!

「現代映畫伴奏曲集 前編」(24)Death Scene デース シーン/mandolin

シリアスな顔で弾いてみました。
伴奏に顔はいらんって?まあ、雰囲気づくりに…。

使用した楽譜はこちら
映畫音樂研究會編 NO.3
「シンフオニー ヴァイオリン マンドリン 樂譜 現代映畫伴奏曲集 前編」

昭和二年五月一日印刷
昭和二年五月三日發行
定價 金五拾錢
編者 映畫音樂研究會
印刷發行者 草野 茂
東京市牛込區西五軒町三十四番地
發行所 シンフオニー樂譜出版社
電話牛込六九〇九番
振替東京六九一二七番

(24)Death Scene デース シーン
ニ短調で、ダブルバーからト短調に変わっています。
短い曲を、ダ・カーポしてまるごと繰り返します。
解説には
死の場面と譯す如く現代劇、時代劇を通じて、人の死に直面したる場面、最も悲愴なる哀傷的氣分を表情するに伴奏す。
とありました。

作曲は、やっぱりザメクニックさん

この曲集には作曲者が書いていなかったのですが、ちょっと調べると、すぐに出てきました。
John Stepan Zamecnikさんの作った「Sam Fox Moving Picture Music vol.1」(1913年)にありました!
目次のページ下部に「MCMXIII」と書いてあります。これはローマ数字で、1913年と読むんだって。
もともとは、(サイレント)映画の伴奏用に作られたピアノ曲なので、映画の場面に合わせて繰り返したり省略したりして演奏したのでしょうね。
それだけに、レコード等の録音物は見当たりませんでしたが、現代の人が掘り起こして演奏している動画はありました。

J.S. Zamecnik, "Death Scene" (from "Sam Fox Moving Picture Music, Vol. 1")
Michael Brownさんが、Spitfire Audioの『HANS ZIMMER PIANO』というピアノ音源を使って作ったそうです。


08 - Death Scene - Sam Fox Moving Picture Music
John Kuzelさんはこの曲集の第1巻を全曲音源化していました!

ほんの少しのナゾ

「現代映畫伴奏曲集」ではニ短調→ト短調に変わっているのですが、原曲のピアノ譜ではニ短調のままでした。そのため、わたしが弾いた楽譜ではE♭だった箇所が、上2つの音源を聞くとE音はナチュラルでした。むむっ、なぜ変わったんだろう?
まあ、単なる写し間違いと推測できるのですが…。
そもそも当時、外国の楽譜を借用というか写し取って日本で出版するって、Sam Fox社から許可を得ていたのでしょうかね?Sam Fox社の版権とかザメクニックさんの著作権とか、どうだったのでしょう。

さらに、この曲集が出版された1927年(昭和2年)にはアメリカで最初のトーキー映画「ジャズ・シンガー」が、1931年(昭和6年)には日本で「マダムと女房」というトーキー映画が発表されたんですって。
日本初の映画興行が1897年(明治30年)、日本でサイレント映画は1935年(昭和10年)ごろまで作られていたそうだから、サイレント映画は40年ほどの寿命だったということですね。
それにしても、曲集が出てからたった数年でトーキーに移り変わっていったなんて!技術革新にやられた!!
そうすると、この曲集は実用だったのでしょうか、それともヴァイオリンやマンドリン愛好家のための楽譜だったのでしょうか?


ほかにも動画あります

YouTube「ikekomandolin」のチャンネルでは、「大正~昭和初期のマンドリン楽譜を弾いてみた」という再生リストも作っています。
古書店から購入した、古いマンドリン楽譜を弾いています。
どうぞごらんください♪

2024/09/10

き~めた!マンドリンの日動画フェスに、あの曲で参加しよう♪

 


10月11日は、マンドリンの日だって知ってた?

北海道では、「10月11日はマンドリンの日!」動画フェスin北海道2024を開催予定です。
一般社団法人日本マンドリン連盟北海道支部のHPで、募集しています。

この動画フェスに、Sound-Holeで申し込みました!
あとは、個人でも参加しようかな~と思って、この前動画を作りました。
北海道でマンドリンを弾く方は、ぜひ見て、参加してみてくださいね。締切は、9月30日ですよー。
これまでの動画フェスも観られます。