秋も深まり、すっかり寒くなってしまいましたが…夏に出した動画を紹介します。
サイレント映画の伴奏曲集をマンドリンで弾いてみた動画です。
「Mysterioso ミステリオソ」
今回もこちらの楽譜↓を使用しました。1927年発行のヴァイオリン・マンドリン楽譜。
見返り美人女優風のこの表紙です。
映畫音樂研究會編 NO.3
「シンフオニー ヴァイオリン マンドリン 樂譜 現代映畫伴奏曲集 前編」
《奥付》
昭和二年五月一日印刷
昭和二年五月三日發行
定價 金五拾錢
編者 映畫音樂研究會
印刷發行者 草野 茂
東京市牛込區西五軒町三十四番地
發行所 シンフオニー樂譜出版社
電話牛込六九〇九番
振替東京六九一二七番
この曲集の23曲目「Mysterioso ミステリオソ」
この曲集には、22曲目と23曲目に「Mysterioso」があるのですが、今回弾いたのは23曲目のほうです。
22曲目の解説には
「怪異、恐怖等の氣分を表したる曲にして、従來映畫伴奏としては暗夜の忍び込み(盗賊又は暗殺)等の最も怪異的場面に伴奏し來る。」
とあります。続いてこの曲、23曲目の解説は
「前者と同意味していづれも凄味を以て奏すべし。」
とありました。
こわい感じで弾いてみましたが…音の高さからか、凄みが出ていないかも。
例によって作曲者不明、楽譜の出どころもナゾ
いっぱい調べましたが、誰が作曲したのか、わかりませんでした。
もちろん、Thelonious Monk セロニアス・モンクのジャズの曲「Misterioso」ではないですよ~。
(そちらは1958年)
映画(当時はサイレント)の伴奏音楽として書かれた「Mysterioso」という曲には、
・J.S.Zamecnik(ザメクニック)さん作曲の「Mysterioso - Burglar Music -」が2曲
(「Sam Fox Moving Picture Music Volume1」1913年発行)
・Jens Bodewalt Lampe(ランプ)さん作曲の「Mysterioso or Forboding」
・ランプさん編集の映画音楽曲集に入っている曲「Mysterioso Pizzicato」
(「Remick Folio of Moving Picture Music VOL1」1914年発行)
がありますが、どれもこの曲ではありません。
そして、この曲を演奏した動画も、みつかりませんでした。
もしかして、わたしが初めて弾いたのか!?
それとも、海外の作曲家によるものではなく、日本人による作曲とか…?
う~ん、こういう昔の楽譜を弾いていて、元ネタ楽譜や演奏が数多く出てくるパターンと、全く見つからないパターン、両極端ですね。
とりあえず調査は終了ですが、今回、イェンス・ボーデウォルト・ランプさんも映画音楽の曲集を作っていたとわかったのが収穫かな。
ikekomandolinのYouTubeチャンネルには、
「大正~昭和初期のマンドリン楽譜を弾いてみた」という再生リストがあります。
楽譜の出版年順に並べてあるので、興味のある方はごらんくださいね!
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