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2025/09/17

1年待って初体験!サイレント映画を観てきたよ

令和の現代において、サイレント映画初体験。

やっと行けたよ!

X「キタ・キネマ」のポストより

2025年8月24日(日)
札幌市民交流プラザSCARTSコート
出演:大森くみこ(活動写真弁士)鳥飼りょう(ピアノ)
午前の部 ❶10:30-『ちんころ平平玉手箱』『荒武者キートン』
午後の部 ❷14:00-『笑ふ男』


実は、このサイレント映画上映会「キタ・キネマ」の存在を知ったのは1年前。2024年8月24日(土)夜、場所はたしか豊平館だったかな?このときは、マンドリンのコンサート本番の日で、打ち上げもあったので行けなかったのです。札教大マンドリンOB会のコンサートは2年に一度で、今年は無いので、キタ・キネマに行くことができました!

わたしは午後から別の用事があったので午前の部だけでしたが、それでも1年待ってやっと観ることができたので、嬉しい~!朝早い汽車で、3時間かけて札幌に行きました。

今年の会場は、札幌市民交流プラザの1階にある、SCARTS(スカーツ)コートです。上階に、HITARU(ヒタル)というホールがあるところですね。SCARTSコートはガラス張りでスケスケな印象でしたが、このときはガラス壁の中がさらに壁で仕切られていて、ちゃんと映画上映ができる仕様になっていました。

立て看板。壁の向こうで上映会。

中に入ると、なんとBGMが、昔々のSPレコードの音楽でした。
ザメクニックの「オリエンタルキャラバン(砂漠の隊商)」に、マーキーの「キスメット」ときた~!
なにそれ、わたし好みの選曲、わたしのためかしら!?と思ってしまいました。
いや、サイレント映画と同じ時代の曲だからなんだろうけどさ、わたしの心をわしづかみ!ですよ。


プログラム(左)と午前の部の映画説明

チラシがたくさん!

映画はもちろんモノクロですが、鑑賞しておどろいたのは、画質の良さです。
古い映画って、フィルムに傷やゴミがついていて見づらいというイメージしかなかったのですが、現代の技術でリマスターとかしているのでしょうか。きれいで見やすいのです。
モノクロでも色を感じられますし、人の動きも自然です。

「ちんころ平平(へいべい)玉手箱」は、1936年(昭和11年)に作られた日本のアニメーション映画。
子ども向けの短い映画ですが、動きがユーモラスで、とにかく楽しいです。
犬の平平がけっこうワルいヤツで、笑っちゃいます。

「荒武者キートン」は1923年(大正12年)の長編映画で、原題は「Our Hospitality」。
バスター・キートンが主演・監督だから邦題にキートンの名が入っているんでしょうけど、なんで「荒武者」なのか!?アクションシーンが多いからでしょうね。
こちらは、恋愛要素もある、ドタバタコメディ。
キートンが、無表情で大アクションをするのが面白くもあり、手に汗握って応援したくなったりもします。無表情といっても、ちょっと情けなく哀愁漂う顔で、なぜか親しみを感じてしまうんですよ。

弁士の大森くみこさんの説明が、わかりやすくて楽しいです。出演者について、また時代背景や鉄道の歴史なども知ることができます。これは日本の話芸ですね!
そして、楽士・鳥飼りょうさんの劇伴ピアノが素晴らしいんですよ!動きや状況にぴったり合った演奏を、即興で行うんです。
演奏がつくことで臨場感が増し、場面がわかりやすくなるんですね。これはすごい!(弁士による説明は日本独自の文化だそうですから、洋画であれば、楽士の演奏だけでも成り立つんでしょうね)
同じ映画でも、弁士と楽士が違えば、またちがった印象になるのだろうなと思いました。

終了後に、鳥飼さんとお話できたのもよかったです。
わたしが持っているヴァイオリン・マンドリン用の映画伴奏曲集は、楽士のための実用品ではなく、やはり愛好家のための楽譜のようです。
だとすれば、当時のマンドリン楽士の立ち位置は?楽団の中のひとりなのかな?
実際にマンドリン楽士ってどのくらいいたのかな?北海道にはいたのかな?
札幌の映画館「遊楽館」は、北海道マンドリン界の主要人物・九島勝太郎さんが経営していた!ということを、前川 公美夫著「大正期北海道映画史」を読んで知りましたが、遊楽館にマンドリン楽士はいたのかな?どんな人かな?…と、疑問がいっぱい出てきます。
鳥飼さんにお話を伺って、自分だったら「マンドリン」という切り口から、サイレント映画の伴奏音楽についてもっと研究できそうだな…と思いました。でもどこから!?
古いマンドリン楽譜から、ばくぜんと「サイレント映画のマンドリン楽士になりたい」と考えるようになりましたが、楽士への道のりは遠いわ!修行せねば!

弁士と楽士つきで映画を観るって、なんてぜいたくなエンターテイメントなんだろう!
というのが、今回の感想でした。あのライブ感が、ぜいたくです。
終わって会場を後にしてからも、ずっと興奮が止まりませんでした。
ほんとうは、午後も観たかった~。

X「キタ・キネマ」のポストより↓