2024.7.29公開の記事に、2024.11.16 さらにわかったことを書き加えました。
「大正~昭和初期のマンドリン楽譜を弾いてみた」シリーズ、前回に引き続き、今回もサイレント映画につける伴奏のための楽譜から一曲弾きました!
「現代映畫伴奏曲集 前編」(26)Pastorale パストラル/mandolin
使用した楽譜は、今回もこれ!
昭和二年五月一日印刷
昭和二年五月三日發行
定價 金五拾錢
編者 映畫音樂研究會
印刷發行者 草野 茂
東京市牛込區西五軒町三十四番地
發行所 シンフオニー樂譜出版社
電話牛込六九〇九番
振替東京六九一二七番
解説には「山野又は公園等を背景としたる靜かな場面の散策、或は田舎、田園等の氣分を表はすに適す。」とあります。
たしかに、パストラルって感じの曲ですよね。田園風とか、クリスマスの雰囲気もあります。
弾いてみて感じたのですが、なんだか楽譜が中途半端だなあと思いました。
映画音楽だから次の曲に続くようにした、ということでしょうか。それとも、元の曲が長いので適当にカットしたのでしょうか。
さらに謎なのは、作曲者はだれか?ということでした。
作曲者はだれ!?→わかりました!
【2024.7.29時点】
いろいろ調べてみましたが、ぜんぜんわからないんですよ。
誰のパストラル?どのパストラル?
SPレコードや、他の人の演奏も見つかりません。
楽譜を調べてみましたが、ザメクニックさんの編集した映画音楽曲集やオーケストラ用曲集にも入っていません。
あまり有名でなかった曲なのか?昔は売れたけれど今に伝わっていない曲なのか?それともわたしの調査が足りないだけなのか!?
今後も探します…。
↓
【2024.11.16追記】
ぼちぼち調べているうちに、当時のサイレント映画につける伴奏曲集を作っていたのは、ザメクニックさんだけではないことがわかりました。
ニューヨークのG. Schirmer, Inc.(シャーマー出版社)が「Schirmer's Photoplay Series」という映画伴奏用の曲集を出版していて、1918年発行の第4巻「Schirmer's Photoplay Series, Vol.4」に「Pastorale」が入っていました。
作曲者は、オットー・ランゲ Otto Langey(1851-1922)でした。
その曲集の目次には、
PASTORALE OTTO LANGEY
(Peaceful Country Scenes or Country Life)
と書いてありました。
「のどかな田舎の風景、または田舎の生活」の場面で演奏するとよいってことね!
パート譜がたくさんあって、管弦楽のオーケストラでも、またピアノとヴァイオリンだけでも演奏できるように作られています。
その楽譜を見ると、「現代映畫伴奏曲集 前編」に載っていた楽譜は前半の繰り返し部分までで、中間部は四分の二拍子・アレグロで、テンポ・プリモでテーマに戻るようになっていました。
そっか~、やっぱりその先があったのね。
YouTube「ikekomandolin」のチャンネルでは、「大正~昭和初期のマンドリン楽譜を弾いてみた」という再生リストも作っています。古書店から購入した、古いマンドリン楽譜を弾いています。どうぞごらんください♪
この曲集には、ほかにも速い曲や怖い曲、日本風や中国風の曲などがあるので、次はそういうのも弾いてみようと思います。
そうそう、「サイレント映画の楽士になりたい!」…と、ひそかに考えていたらさ~、キタ・キネマさんの主催で、サイレント映画をピアノ伴奏で上映する会があるらしいよ!
見たい~~~。やはり札幌は文化の街ですね。
奇しくも札教大マンドリンクラブOB会のコンサートと同日の8月24日(土)で、夜は打ち上げがあるのですよー。うわー残念。
次の機会があったら、ぜったい見に行くわ!
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