2024/09/07

弾きました!北海道教育大学札幌校マンドリンクラブOB・OG会 第14回定期演奏会(おまけ「ヴェニスの一日」原曲さがし)

おかげさまで、終了いたしました!


プログラム表紙

北海道教育大学札幌校マンドリンクラブOB・OG会
第14回定期演奏会

2024年8月24日(土)12:30開場 13:00開演

かでるアスビックホール(札幌市中央区北2条西7丁目 かでる2・7)

入場料 無料

主催 北海道教育大学札幌校マンドリンクラブOB・OG会

後援 札幌市、札幌市教育委員会


2年に一度の、OB会 定期演奏会!

第12回は2019年。第13回は2021年に行う予定でしたが、コロナのため1年延期して2022年に開催しました。

チラシ画像

うわ~、第14回だって。
2年に一度だから、単純計算しても28年経っているってことでしょ。自分も年を取るはずだわ。
たしか自分が妊娠・出産したとき以外は、すべて参加しているはず。


前日は、午前中いっぱい仕事してから札幌に向かい、すぐに前日練習に参加しました。
わたしは、月に2回あった練習に1回ずつしか通えなかったので、フルートが入った練習で弾くのは、このときが初めてでした。吹く楽器と弾く楽器で拍を合わせるのが、やや難しいと感じました。

べらぼうに高い宿泊費をかけて街なかに泊まったので、朝は余裕~。
ヘアアレンジは、細いシリコンゴムで右耳の後ろにハーフアップをつくり、襟足をねじって右に寄せました。「夏の愉しみ♪浴衣でおでかけ」でも書きましたが、簡単だと言われる「くるりんぱ」すらできないぶきっちょで、しばるのは不得意です。
でも、お客様に横顔をよく見せたいし、髪が顔にかかると暗く見えるので、この夏は髪を伸ばしてしばりました。

時間に余裕があったので、父に電話をしてみました。
「今日、かでるに来てね!」とだけ言おうと思っていたら、父ったら
「◯◯(昔の教え子)をコンサートに誘いたいんだけど、年賀状に電話番号が書いてなくて…。◯◯に電話してくれないか」
「ええーっ、今から!?ごめん、わたしこれからリハーサルなのよ。電話番号、わたしの手帳に書いてあった。今から教えるから、がんばって自分で電話して~」
電話番号を数字ひとつずつ教えて書かせて、復唱させたら、数字を逆に読んでしまうんです。見ている数字はわかっていても、自分の口が思うとおりに動かないから、本人はもどかしいでしょうね。あとは、電話番号を正しく押せますように…健闘を祈る!
おっと、急がねば。遅刻寸前!
※後日談:9月に父を訪問したら、わたしがノートに書いた住所録に、◯◯さんの電話番号がちゃんと書いてあったよ!もう~。


マンドリン四重奏演奏会でもよく使う、かでる2・7のホール。
今は、ネーミングライツで「かでるアスビックホール」といいます。
ステージリハーサルは、なかなか調子が良いですよ。トリの曲は大変ですが…。

開場したのでロビーに行ってみたら、父が無事到着。
◯◯さんには電話できて話せたけれど、お誘いは断られたそうです。
こんどはもっと早いうちに誘いましょう。
でも、電話番号を間違えずに押せたのね。大成功!
今回のコンサートは、開演時刻がこれまでより30分早くなったので、ロビーにスマホを持って行けず、父との写真は撮れませんでした。
でも、写真屋さんに撮っていただいたので、あとから手に入るかも。
本番中ステージから客席を見ると、そばに父の同級生さんがいました。前々からお誘いしていたので、また会えてよかったです!

【演奏曲目】
第1部
・序曲「過去への尊敬」  L.メラーナ=フォクト作曲
・詩人の瞑想  G.マネンテ作曲
・カタリー  S.カルディロ作曲/山下嘉昭 編曲     
・秋桜(コスモス)  さだまさし作曲/中川信良 編曲
・ひまわり  ヘンリー・マンシーニ作曲/中川信良 編曲
・浪漫的協奏曲No.14  K.ヴェルキ作曲

第2部
・麦の唄  中島みゆき作曲/本川 監 編曲
・夕映えの詩 本川 監 作曲
・ハンガリーの旅  F.メニケッティ作曲
・ヴェニスの一日  E.ネヴィン作曲/中野二郎 編曲
  Ⅰ.Alba(夜明け) Ⅱ.Gondolieri(ゴンドラ漕手たち)
  Ⅲ.Canzone Amorosa(愛の唄) Ⅳ.Buona Notte(おやすみなさい)
・月に舞う   武藤理恵 作曲

「過去への尊敬」、もともとは「労働と芸術」という題名だったんですってね。自分も労働して、こうして集って演奏して、楽しさを分かち合っていると思うと、そちらの題のほうが曲に合っているような気がしました。

「詩人の瞑想」は、マンドラとギターのソロで始まりました。OBならではの、大人の演奏でした。
年を取ると、速い曲が苦手になったりポップなリズムが弾きにくくなったりしますが、こういう曲はしみじみとした演奏になると思います。

実は今回、4名の指揮者のうち、最年長のYさんが急に出られなくなってしまいました。
他の指揮者さんが代理で振るとはいえ、Yさんが作り上げてきた演奏をうまく表すことができるかと、不安でした。
でも本番では、「これまで練習してきたことを、そのまま表現すればいいんだ」と思い、いつもどおりに演じることができました。
この演奏が、Yさんに届きますように(あとで録音を聴いてくださ~い)!

第2部の始まりは、指揮者さんによる編曲と作曲です。
どちらも(しかも指揮まで)できるって、すごいよね!
「夕映えの詩」良い曲です。

メニケッティを弾き終わったあと、あれっ、コンマスさんが放心状態!?
マンドリン弦が切れているようですが、切れた弦を外そうとしている?いや、それは置いといて、スペア楽器を使いましょう。
本番中に、そういうこともあるんですねえ。そりゃ動揺するわ。

ネヴィンさんの曲は、もともとはピアノ曲。最初、マンドリンで弾くのは難しすぎるのではないかと思っていました。
しかし、しだいにKさんの指揮に乗せられて、ふわりとロマンチックな演奏になってきました。ギターの使い方も効果的で、ピアノとは違った雰囲気を出すことができたと思います。
1楽章のギターや4楽章のセロが、ほんとうに「歌って」いる感じで、とってもよかった~。
そして最後の曲「月に舞う」といったら!舞うというよりヘドバンしてるような激しさでした。ちゃんと弾けなかったところもありました…。
今回は、アンコールとクラブのテーマ曲「郷愁」だけ弾きませんか、という企画がありました。そこに2名の方が参加しました。いっしょに弾けたのは、何年ぶりでしょうか。うれしい~。時々で良いので、合奏に加わってもらえたらいいですね。

マンドリン仲間のお客さまから、お花やプレゼントをいただきました。ありがとうございます!
終わった後、お客様から「弾き方がきれいでした」と言われ、嬉しかったです。
高齢化してきた札教大OB会ですが、弾く楽しみは衰えません。
まだまだ弾いたことのない曲がいっぱい!次は何を弾きましょうか。


おまけ

「ヴェニスの一日」原曲さがし

ネヴィンさんの「ヴェニスの一日」は、個人的に大好きな曲。
甘くて美しい旋律、軽妙で流麗なオーケストレーション。
弾いていて、とても楽しかったです。
もともとはピアノ曲で、1898年(明治31年)に The John Church Company から楽譜が出版されています。

GIORNO IN VENEZIA (A Day in Venice)
   Ethelbert Nevin  Op. 25 (1898)
1 Alba(Dawn)  
2 Gondolieri(Gondoliers)
3 Canzone amorosa(Venetian love Song)
4 Buona Notte(Good Night)

原曲はどんな曲かなと思って、調べてみました。

2024/08/28

夏の愉しみ♪浴衣でおでかけ

浴衣だいすき!夏のおしゃれは浴衣ですよ。でもあまり着る機会がありません。

なぜならマンドリンの練習に行くときは、荷物が多いから。バッグを肩にかけたり背負ったりできないでしょう?

先日、マンドリンのコンサートを聴きに、札幌へ出かけました。

わたしの場合、マンドリンを持たないおでかけって、めったにありません。

そうだ、こういうときこそ、浴衣を着よう!



今回着たのは、haco!(フェリシモ)で買った、黒地に白の「麻の葉文様」。禰豆子ちゃんの着物の柄だね!
生地をよく見ると、薄手で長四角の格子状に織られています。「綿紅梅」というそうです。ミシン縫いだと、手縫いより安価になります。
これまでで一番、着付けがうまくできました!衣紋の抜き方とか、おはしょりの長さとか。
このときは一泊したので、かごバッグの他に着替えを入れたバッグを持ちました。


セットで買った半幅帯は、紫と白のリバーシブル。
帯結びは、紫をメインに「割角出し」。たれの面を変えて結んでみました。
汽車に片道3時間も乗るので、椅子にもたれてもつぶれない結び方にしました。

銀と白の三分紐に、雪柄のガラスの帯留め。札幌のキモノハナ パセオ店で買いました。
帯のアクセントに三分紐を使いたくて、後ろの結び目がかくれる帯結びにしました。

髪型は、動画を見てこれにしよう!と決めたものがあったのですが、いかんせん不器用すぎて、“くるりんぱ”すらできませんでした…。
左よりにしばっておだんごもどきにして、お花の髪飾りをさしました。

下駄は、畳表のついた「右近」という形。側面に葉の模様が彫られています。
最初に買った下駄が古くなったので、数年前に旭川で買いました。
たくさん歩くので、レース足袋をはきました。鼻緒が擦れにくくて、楽です。
足袋を履くので、少し上品になるよう、浴衣の裾を長めにして着ました。

今回行ったマンドリンのコンサートは、「ロマンツァ&ノルディコ ジョイントコンサートin札幌」。
とても暑かった8月16日、Kitara小ホールで行われました。
お客さんがたくさんいて、はからずも最前列で聴くことになりました。
ロマンツァもノルディコも、情熱的な演奏で、圧倒されました。その翌週は自分たちのコンサートなので、がんばろう!と思いましたよ。

OB会の先輩がたとお茶したあと、中島公園でひとり夕涼み。
綿紅梅の浴衣に夕暮れの風がすうっと通り、心地よかったです。

浴衣好きになったわけ

きっかけは結婚してすぐ、オットの母から浴衣をもらったこと。
それまでは浴衣を着たことがありませんでした。

2024/08/18

サイレント映画の伴奏曲集♪「ザー セクレツト オブ ザー シヱー」←この題名!?

 「大正~昭和初期のマンドリン楽譜を弾いてみた」シリーズ、最近は、サイレント映画につける伴奏のための楽譜を弾いています。

今回演奏したのは、この曲。
(25)The Secret of The Sea


使った楽譜はこれ

映畫音樂研究會編 NO.3
「シンフオニー ヴァイオリン マンドリン 樂譜 現代映畫伴奏曲集 前編」


【裏表紙下部のの奥付】
昭和二年五月一日印刷
昭和二年五月三日發行
定價 金五拾錢
編者 映畫音樂研究會
印刷發行者 草野 茂
東京市牛込區西五軒町三十四番地
發行所 シンフオニー樂譜出版社
電話牛込六九〇九番
振替東京六九一二七番

(25)The Secret of The Sea ザー セクレツト オブ ザー シヱー
Zamecnik.


前の持ち主が書いたと思われる、チェックマークがあります。
実際に演奏したのかな?

ちょっと待て、「ザー セクレツト オブ ザー シヱー」って!(笑)

英語の音声をカタカナで表記するなら「ザ・シークレット・オブ・ザ・シー」でしょう。
ヱって何さ!?ミスターイヤミが出てきそうだよ。
昭和初期の英語ヒアリングってこういう感じ!?促音「ッ」を大きく書くのは、まあわかるけどさ。
曲は漫画のキャラとは全く関係ありません。8分の6拍子で、バルカローレ(舟歌)な曲調です。
解説には、
「此の曲は水邊(みずべ)或は湖水等を背景としたる靜かなる氣分のラブシーン、又は散策等の場面に伴奏するを可とす。」
と書いてありました。

作曲は、あのザメクニックさん

「The Secret of The Sea」は、アメリカで活躍した作曲家、John Stepan Zamecnik(1872-1953)の曲です。

ザメクニックさんといえば、Sam Fox社から「Sam Fox MOVING PICTURE MUSIC」、つまりサイレント映画のピアノ伴奏曲集を4冊も出している人です。

それにしても、100年くらい前の楽譜を弾くようになってから、ずいぶんザメクニックさんの名前を見るようになったなあ。
マンドリン界におけるアマデイさんのように、ザメクニックさんは、わたしの中では超有名人!

原曲の楽譜

この曲の楽譜は、1923年に出版された「Sam Fox Library Orchestra Folio Volume 6」に掲載されています。
この曲集の表紙には、「A collection of select compositions for hotel, cafe, theatre, moving picture and concert orchestras」と書いてあります。ホテル、カフェ、劇場、映画、コンサートオーケストラ向けの曲を掲載した曲集なんですね。

そしてこの曲集の「The Secret of The Sea」という題名の下には、「From the Piano Suite “LOVE SONNETS”」と書いてあります。

へえ~「愛のソネット」という、ザメクニックさんのピアノ組曲があるんですね。他の楽章はどんな曲があるのでしょうね?


演奏音源

SPレコードや最近の演奏を探してみましたが、見つかりませんでした。

ピアノ組曲としても、今は演奏されないのでしょうか?

その代わり、Fiona Hickie's Sheet Music PreviewというYouTubeチャンネルで、編曲されたスコアとMIDI演奏を視聴できました。


The Secret of the Sea
(木管四重奏版)


The Secrets of the Sea: String Quartet
(弦楽四重奏版)

この曲についていうと、当時の映画音楽に貢献した多作なザメクニックさんだから、こうして楽譜や動画がみつかるんでしょうね。それでも、今の時代では演奏されることがほとんどないという曲が、数多くあります。
明治時代から日本に入ってきた“洋楽”を、映画伴奏音楽という方面からも受容してきたということは、興味深いですね。
そして、どうして「現代映畫伴奏曲集」は、日本人作曲家が作ったオリジナル曲が収められなかったのでしょう?なぜこの曲集が作られたのかというのも、知りたいです。


YouTube「ikekomandolin」のチャンネルでは、大正~昭和初期のマンドリン楽譜を弾いてみたという再生リストも作っています。古書店から購入した、古いマンドリン楽譜を弾いています。どうぞごらんください♪

2024/08/12

【2021年】大正15年のマンドリン楽譜♪「キャラバン」

【過去記事】こちらは2021年6月、引越し前のブログに書いた記事を再掲して加筆したものです。原曲探し、レコードやピアノロールの動画などを追加しました。

自粛期間中にインターネットで古い音源や楽譜に出会い、ついでに演奏動画を撮ることにもはまっていた時期です。

     🎼     🎼     🎼

前に、「日本の古本屋」という古書店通販サイトを通じて、古~いマンドリン用の楽譜を手に入れました。
ディープでマニアな詳細はこちら→昭和3年の楽譜を弾いてみた♪大流行曲「ティティナ」

わたしが買ったのは、ヴァイオリン、マンドリンどちらでも使える、二重奏の楽譜です。
せっかくだから、だれかと二重奏ができたらいいなあと思ったのです。
ところがここ1年続く状況により、合奏ができないまま…。
そこで、Rolandの4XCAMERAというアプリを使って、ダブルいけこで二重奏をしてみました。

「ティティナ」の次に演奏したのは、

オリエンタル・フォックストロット「キャラバン」

キャラバンというと、デューク・エリントンとファン・ティゾールのジャズの曲(1935年)が有名ですが、別の曲ですね。

こっちのキャラバンは、フォックストロット、1910年代にはやったダンスミュージックです。
前半は砂漠を隊商が行くオリエンタルな香りの曲調ですが、後半は明るく弾んで砂漠感はどこかへふっとんでしまいます。

大正15年(1926年)の楽譜です。

楽譜の表紙と裏表紙。
「VIOLINMANDOLIN DUETTS
模 範
ヴァイオリン・マンドリン二部合奏楽譜
Karavan
キャラバン
模範楽譜出版社
No.1


表紙絵は、ピラミッドにラクダを率いた隊商のシルエット、手前にヤシの木のようなシルエットと、スカーフとベールをかぶった女性のイラストです。
女性の鼻の上には何がついているんだろう?飾りかな。
「すまーふはなこ」さんのブログ「3兄弟とエジプト生活」では、「エジプト女性のスカーフ(ヘカブ)」という記事の中で、「ヤシュマック(YASHAK)」を着けた、原住民の女性(Native Woman)」という1920年頃の絵はがきが紹介されています。
それがこの絵にそっくりでした!

裏表紙は、この出版社がこれまで出したマンドリン・ヴァイオリン用の楽譜目録と、奥付。
「MOHAN EDITION OF SHEET MUSIC
Mandorin or Violin Duets.」
英語の綴りに誤記が見られます。


裏表紙の奥付。
「 定價各編 金貳拾五錢
大正十五年八月二十日 印刷
大正十五年八月廿五日 發行
編者 模範樂譜出版社編輯部
印刷兼發行者 水谷彦十郎
東京市日本橋區橘町三ノ十二
發行所 模範樂譜出版社
東京市日本橋區橘町三ノ十二


A3版を二つ折りにした4ページ仕立て。
この楽譜は、左ページが第1ヴァイオリン/マンドリン、右ページが第2ヴァイオリン/マンドリン となっております。
二人で並んで見る感じでしょうね。

Karavan (Oriental Fox-trot)
Wiedoeff - Olman. 
Arr.by M.G.S


「M.G.S」は、「模範楽譜出版社」の頭文字でしょうか。

【原曲探し】
調べてみると、作曲者は、Rudy WiedoeftAbe Olmanだとわかりました。
ということは、楽譜の「Wiedoeff」は一文字間違いでしょうね。
ルディ・ヴィードーフ  Rudy Wiedoeft (1893-1940)はアメリカのサックス奏者、
エイブ・オルマン(1887‐1984)はアメリカの作詞家、音楽出版者だそうです。

1919年に出版された楽譜
アメリカ合衆国のジョンズホプキンス大学 Johns Hopkins Universityの公開ライブラリで、楽譜を見ることができます→こちら「Karavan(Fox Trot).Song.」
1919年にシカゴのForster Music Publisher, Inc.より出版された、ピアノ伴奏と歌の楽譜です。

当時の演奏のレコード
古いSPレコードを再生した動画です。当時の曲の雰囲気が伝わります。

Joseph C Smith's Orchestra - Karavan (1920)
1920年、ジョセフ・C・スミス楽団の演奏。
とちゅうでパラララララ…と入るオブリガードが華麗だ~!

Karavan -- Fox Trot (Abe Olman-Rudy Wiedoeft) Joseph C. Smith's Orchestra (For Dancing)
上と同じレコード。

"Karavan" Fox Trot Played by Joseph C Smith's Orchestra HMV B 1174
ラベルは違いますが、上2つと同じ演奏ですね。

Karavan by Rudy Wiedoeft and Abe Olman
これまでとちょっと違った演奏。Aメロのオブリガードでチャラララララララララ~♪というフレーズあり。(ウン)チャラッ、チャラッ、チャラッ♪は、わたしの弾いた楽譜にもあります。また、ちょっとした繰り返しで、小節が増えた部分があります。

ピアノロール
19世紀末から作られ、SPレコードが普及する前に、音楽再生手段として使われたんですって。それぞれアレンジがおもしろいです!
KARAVAN - PLAYER PIANO ROLL
概要欄によると、フランク・バンタ Frank Bantaの演奏だそうです。

Karavan Played By Zez Confrey
ゼズ・コンフリーの演奏。イントロのアレンジが独特!
後半は、「マンドリン・モード」ですって。同音連打のことでしょうか。
連打音を続けるのは人間では難しく、編集されたピアノロールだからできるのだそうです。



YouTube「ikekomandolin」のチャンネルでは、「大正~昭和初期のマンドリン楽譜を弾いてみた」という再生リストがあります。
今後も、少しずつ弾いていきたいと思います!

2024/08/08

夏なので弾いてみた!青山涼「夕凪」

みなさまお元気ですか?
夏ですね!暑いですね!
北海道も暑いですよ…。

マンドリン弾いてみた動画、今回は
青山涼 作曲「夕凪」
です。


青山涼さんといえば、プロのマンドリニスト青山忠さんの息子さん。

マンドリン・クラシックギター専門店 イケガクのYouTube「イケガクTV マンドリン&ギターチャンネル」に、青山涼さんのインタビュー動画がありました。
お父様によく似てるわ~。
そして若いのにこの風格!
インタビュー動画が3本もあったのですが、この方の人となりがわかって面白かったです。
小さい頃のマンドリン練習の話とか、レトロゲームとか…。
作曲の話も、興味深く聞きました。
青山さんのプロフィールは、青山涼さんのホームページに詳しく書いてあります。



青山涼さんの曲を弾いたのは、初めてでした。

昨年(2023年)に旭川市民マンドリンアンサンブルの定期演奏会で、コンサートマスターさんとギターさんがこの曲を演奏したんですよ。

よい曲だな~と、わたしたちは舞台袖で聞き惚れておりました。

マンドリンとギターの二重奏かと思っていたら、実はマンドラパートをギターにアレンジしたのだと聞きました。

マンドリンとマンドラの二重奏かあ…マンドラだったらわたしも持っているし、わたしも弾いてみたいなあ

そう思って楽譜を探したら、「Ryo Aoyama Online Shop 青山涼 オンラインショップ 楽譜販売」にありました。

ダウンロード楽譜なのねー。今どきだわ。

片方のパートの音源というのもありましたが、けっきょくわたしは2パートとも自分で弾きました。

いつものように4XCAMERAというアプリを使って、スマートフォンで撮りました。音は加工できないけれど、まあいいのだ。


【弾いてみた感想】

きわめて個人的な感想ですが…

①マンドラパートの方が難しい

弾いてみたら、マンドラパートの方が(わたしにとっては)難しかった!

何が難しいかというと、アルペジオのポジションです。マンドラの弦はマンドリンの弦よりも太いので、押さえるのがたいへんでした。ドラ筋が必要です。

もともとマンドラを弾く人なら大丈夫なのでしょうね…。

そしてわたしの場合、複数の音を出すためのポジションを覚える→瞬時に再現するのが、ものすごく苦手なのです。押さえる指は2本までならいけます(笑)。覚えるのにけっこう必死でした。

ギターが弾ける人には楽勝かもしれませんね。

(中3の時に半年だけ「フォークソング同好会」に入っておりましたが、ギターのコードがまったく覚えられず「メリーアン」が弾けずに終わりました。今のわたしなら、坂崎さんパートを歌うのに徹するぜ!)

②流血の「夕凪」!?

マンドラパートでは、違う弦を同じフレット上でを押さえるポジションが多く、左手の人差し指と中指がひんぱんに接触します。

わたしの場合、指先が太く爪が扇のような形をしているので、2本の指が接触すると、中指の爪の端で人差し指を押すというか刺激することになるんですよ。練習すると、何度も何度も刺激されます。

動画を撮るころには、人差し指に穴があいて血が出ていました。でもばんそうこうを貼ると指がうまく動かせないので、がまんして撮りました(痛)。

撮り終わったあと、治るまで数日、楽器は弾けませんでした。

いやまあ、でもこれは爪の形によるものなので、他の人には問題ないのでしょうね…。

③シンプルなメロディを“歌う”

マンドリンパートは、難しくありませんでした。途中の重音は(わたしでも)対応可能です。

でも、シンプルなメロディほど、どう“歌う”か、考えさせられますね。

「夕凪」という表題なので、朗々と歌って盛り上げるのではなく、波がそっと引いていく感じにしてみました。

🎵    🎶    🎵    🎶    🎵

マンドラパートさえ弾ければどなたでも楽しめる曲だと思うので、みなさまも弾いてみてくださいね!

ちなみに旭川市民マンドリンアンサンブルでは、今年11月の定期演奏会で青山涼さんの「最後の宇宙船」を弾きます。こちらもすてきな曲ですよ~! 

2024/07/22

【2017年】北海道教育大学札幌校マンドリンクラブOB・OG会 第11回定期演奏会

 【過去記事】2017年8月、引越し前のブログに書いた記事です。今年の定演は第14回なので、これは3回前、もう7年も前のことですね…。


もう1週間たちましたが、コンサートの報告を…。
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↑きれいなカラーのプログラムや、チラシ、チケットは、OBのAさんによるデザインです。

北海道教育大学札幌校マンドリンクラブOB・OG会
 第11回定期演奏会

2017年8月20日(日) 13:00開場/13:30開演 
かでるホール(北海道札幌市中央区北2条西7丁目 かでる2.7)
入場料1,000円(小・中学生無料)
後援:札幌市、札幌市教育委員会


自分がステージで演奏するっていうのは、日常の中の非日常です。
さて、非日常の二日間のはじまりです。
19日、出がけからバスに乗り遅れて、オットに駅まで送ってもらうという失態…。しょんぼり。
札幌について、早めにホテルにチェックイン。
カフェデンマルクのパンを食して、くつろぎのティータイム。
六花亭が斜め向かいにあったので、ぶどうソフトクリームを食べてから、前日リハーサルに行きました。
午後5時から9時まで、かでる2.7で、熱心にリハーサルをおこないました。
この演奏会は、道内・道外各地からOBが集まってくる同窓会みたいなものなので、ここで初めて音を合わせる人もいます。
2年に一度会える先輩とのお食事も、また楽し。

20日、本番の日。
ホテルの朝食って、大好きです。いろいろなものを少しずつ食べられるのが、いいのよね。
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髪型は、ハーフアップ。ねじってヘアピンでとめて、右側に毛先をちらしました。

一昨年の第10回定演で、T会長が指揮を降りてから、はや二年。
あたらしい指揮者も加わり、(わたしより)若いOBも参加するようになりました。
指揮者が変わって合奏がうまくいくだろうかとか、お客さんが呼べるだろうかとか、変化への対応に時間がかかったように思います。
また、みんなそろって少しずつ年を取っていくので、老眼(これ困る!)や健康、介護や生活環境の変化などもあります。
わたし自身、月に一度の練習会でマンドリンを弾くことが、一番リラックスできる、息抜きの時間でした。
そんな中で、この日、わたしを含めてステージに立てる人は幸せだなあと思います。いっしょに弾いてくれるOBの皆さんにも感謝です。

午前中にステージリハーサルをすると、できていたことが、そのときになってうまくできなかったりして、あせります。
でも(たぶん)だいじょうぶ!と、自分に言い聞かせて…

そうそう、衣装の話を。
今回は、黒ロングスカートを手づくりしたのですよ。
ずっと前からはいていた黒ロングは、サイズが合わなくなってきたので、若い人に譲りました。
フォーマル服売り場でまた購入しようと思ったら、今はフォーマルでは扱っていないようです。旭川でも札幌でも、手に入りませんでした。
そこで、フォーマル用の布を買って、フレアスカートを作りました。前のスカートは8枚はぎでしたが、今回は「毎日着たいスカート」(ブティック社、2007年)から、4枚はぎのフレアスカートの型紙を使いました。
布地の縦横がゆがみやすい布で、縫いにくかったのですが、ファスナーはうまくできました。
↓楽屋で撮ったので、靴を脱いでいて、裾をひきずっていますが…9cmヒールをはくと、ちょうどよいです。
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でもね…フレアスカートは似合わない体型だなあと、つくづく思いました。前からそうでしたが、もっと似合わない腰回りになってしまいました。
2年後は、メモリー素材でタックスカートか何かを作ろうかと思っています。

13時開場、ロビーの受付にT会長がいらっしゃいました。わ~ありがとうございます!身が引き締まる思いです。
よし、2年に一度のお祭りだ!やるぞ!オー!
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13時30分開演。
そうそう、今年は司会もかわったんですよね。Sさんのあたたかな語り口が、演奏者の緊張をほぐしてくれました。とってもよかったです。

2024/07/21

【2019年】北海道教育大学札幌校マンドリンクラブOB・OG会 第12回定期演奏会

 【過去記事】2019年に、引越し前のブログに書いた記事の再掲です。

今年の定演は第14回、こちらは、前々回の定演についてです。

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北海道教育大学札幌校マンドリンクラブOB・OG会
第12回定期演奏会

2019年8月25日(日) 13:00開場 13:30開演
かでるホール (札幌市中央区北2条西7丁目 かでる2・7北海道立道民活動センター)
入場料1,000円(小・中学生無料)


わたしは、前日のうちに札幌入り。
汽車を降りると、偶然、旭川の知り合いに会いました。
翌日の「北海道マラソン」に出るのだそうです!すごーい、がんばってくださーい!

夕方5時から、かでるで前日練習をしました。
遠くから来て、この日に初めて合わせる人もいました。

さて、当日。
札幌駅近くのホテルから、タクシーに乗ろうとしたら、
「今日は北海道マラソンで、交通規制がかかっているから、かでるまで行けないよ。歩いて行ったほうがいいよ」
ええ~!?そんなー。
やっとのことで、会場につくと… ↓
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むむ、気持ちが引き締まりますね。
さあ、がんばりますよ~!

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プログラムです。
オットが「Azさん、やっぱり上手だね。すっきりして見やすい」と申しておりました。
(わたしが別件のチラシを手がけ苦戦していたので、やはりわたしはシロートだという意味で、こういうことを言ってました…汗)

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この日のヘアアレンジ(よく見えなくて、すみません)。
ねじりハーフアップを右側で散らし、襟足も右側に寄せて留めて、左右非対称にしてみました。

なんと…今回のステージで、老眼鏡デビュー…。
リハーサルのときに、ステージが明るいのに、楽譜がなんかよく見えないんですもの。
曲は覚えていますが、音符を読み間違えてしまうのが、こわいんですよ。
これでわたしも、メガネっ子の仲間入りですね。
でも、眼鏡をかけると、自分が動いたときに楽譜がよく見えないんだよなあ。課題です。

さて、本番!!
Sさんのすてきなアナウンスで、はじまり~♪
客席に、父が来てくれました。ありがとう!

今回の第1部は、いつもと違います。
なんと、OBのM川さんが作曲した2曲を、本人の指揮で演奏したのです!

2024/07/20

【2020年】念願かなって地元団体で演奏!旭川市民マンドリンアンサンブル第47回定期演奏会

 【過去記事】2020年、引越し前のブログに書いた記事を再掲しました

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左:プログラム表紙 右:チラシ

旭川市民マンドリンアンサンブル 第47回定期演奏会
2020年11月7日(土) 18:00開場 18:30開演
旭川市大雪クリスタルホール音楽堂(旭川市神楽3条7丁目)
入場料 700円

そうなんですよ~。やっと、地元のマンドリン団体で演奏することができました!
入ったいきさつは、こちら↓
実はわたし、この1月から地元のマンドリン団体に入った、新入部員なのですよ。
昨年の定期演奏会を聴いて、わたしもいっしょにひきたいな~と思いました。
演奏会のあと、部員の方に「マンドリンが好きそうだと思って」と、お誘いを受けました。
ええ、もちろん、大好きですとも!(笑いしかない)
ちょうど昨年は「働き方改革」が盛んに言われていたので(言うだけじゃだめなんですけど)、そうだ、「働き方改革」をしよう!毎週水曜日は残業を30分までにしよう!
と、心に決めました(ということは、残業が常態化しているんだな)。

ところが、2月のおわりに緊急事態宣言が出ました。
自分の職場には人が集まることから、わたしはしばらく練習を欠席していました。
そのうち、練習会場が閉鎖になって、練習じたいがお休みになりました。
6月から練習が再開し、7月からやっと、わたしも練習に加わりました。

練習会場では、使ったものを最後に消毒しています。
また、出席者は連絡先を記入し、毎回出欠を記録しています。
マスクをしながら練習するのは、けっこうきついです。
なんだかんだいって、運動しているようなものですからね。
でも、合奏することができて、みんなといっしょに演奏を作っていくことができて、うれしいです。

そうそう、言い忘れていましたが、第1部の1曲目は、わたしの作った曲になりました。
「冬の足音」より、1.ロータリー です。

旭川市民マンドリンアンサンブルも、開催にあたり、これまで様々な課題に直面してきました。
練習会場の閉鎖に始まり、練習会場の消毒、いつもお世話になっている大雪クリスタルホールのコンサートボランティアが今年は頼めない(!)とか、チケット半券裏に連絡先を書いてもらう、感染防止対策についてお客様へのお願いをチラシに載せる、会場の前列席を空ける、消毒用アルコールの用意、検温、「北海道コロナ通知システム」の活用など…。
そして演奏会直前になって、北海道は感染者が急激に増加して、ここ旭川でもクラスターが発生しました。
わたしの職場でも対策を強化して、にわかにバタバタしております。
市外からの賛助で、出演を断念される方も出てきました。
はたして開催できるのか?会場からストップがかかったりして?いや、何か決まるとしたら今日(演奏会当日)だろう…云々、メンバー一同、ハラハラドキドキでした。
とりあえず、開催できてよかったです!
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土曜日は天気が良くて、暖かかったです。
人込みを避け、旭川駅の南側のベンチで、外ランチしました。
クリスタル橋を歩き、大雪(たいせつ)クリスタルホールへ。
ちょっと早く来すぎたかな?

大雪クリスタルホールの情報誌「CADENZA」を見ると、音楽堂でのコンサートは、10月に4本、11月に4本。少ないですねえ。
それでも、規制が緩和されて、いちおう座席を100%使えるようになったそうです。

リハーサルは、14時から17時まで。3時間も弾いて、けっこう疲れた~。
そのあとは作業したり、お弁当を食べたり着替えたりしてあわただしく、Hさんが弦やピックを売りに楽屋に来てくださったのですが、見るひまがありませんでした。コンサートマスターは、調弦もあるので、なおたいへんだったと思います。
そんな中でも、賛助に来てくださったSさんとツーショットを撮っていただいて、うれしかったです!
以前からFacebook友達なのですが、メッセージで話しているうちに、この定演に一緒に出るということを知ってびっくり!
こういうつながりもあるから、SNSも面白いものですね。

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↑画像は、Kさんからいただきました。ありがとうございます!

第1部の1曲目は、わたしの曲で、「冬の足音」より、“ロータリー”。

2024/07/16

【宣伝】8月は、札教大マンドリンクラブOB会のコンサートに出ます!

この夏は、マンドリンのコンサートに出ます!



北海道教育大学札幌校マンドリンクラブOB・OG会
第14回定期演奏会

2024年8月24日(土)12:30開場 13:00開演

かでるアスビックホール(札幌市中央区北2条西7丁目 かでる2・7)

入場料 無料

主催 北海道教育大学札幌校マンドリンクラブOB・OG会

後援 札幌市、札幌市教育委員会


 OB会では、2年に1回定期演奏会を行っています。

第12回は2019年、第13回はコロナのため1年延期して、2022年に開催しました。

今回は第14回です。

しかも、お客様に気軽に来ていただきたいということで、無料になりました。

お近くの方も、そうでない方も(わたしもだが!)、札幌・かでるに来てくださいね~!

2024/07/07

サイレント映画の伴奏曲集をマンドリンで♪「ハヤ」

今回の「大正~昭和初期のマンドリン楽譜を弾いてみた」シリーズは、前回に引き続き、昔の映画、つまりサイレント映画につける伴奏のための楽譜から一曲弾いてみました。

「現代映畫伴奏曲集 前編」(5)Haya ハヤ/mandolin



使用した楽譜は、今回もこれ!
映畫音樂研究會編 NO.3
「シンフオニー ヴァイオリン マンドリン 樂譜 現代映畫伴奏曲集 前編」
東京の徳尾(とくのお)書店さんから購入しました。
←表紙←奥付

昭和二年五月一日印刷
昭和二年五月三日發行
定價 金五拾錢
編者 映畫音樂研究會
印刷發行者 草野 茂
東京市牛込區西五軒町三十四番地
發行所 シンフオニー樂譜出版社
電話牛込六九〇九番
振替東京六九一二七番


楽譜には「HAYA ハヤ  L.Maurice.」と書いてあります。
解説には「最も晴やかな氣分を表はす場面、例へば原野、公園、庭園等に嬉々として戯る場面等に用ふを可とす。」とあります。
曲そのものの解説ではなく、映画の中のこんな場面に使うとよい、という解説ですね。

いろいろ調べてみましたが、レコードや演奏の音源は見つからず、タイトルの意味もわかりませんでした。

楽譜は見つかりました!
Sam Fox Pub.Coから1921年に出版された
「Sam Fox library orchestra folio. No. 5.」という曲集に入っています。
その表紙には
A collection of select compositions for hotel, cafe, theatre, moving picture and concert orchestras
と書いてあり、ホテル、カフェ、劇場、映画、コンサートオーケストラ向けの曲を掲載した曲集であることがわかります。
このサイトには、5巻は1stヴァイオリンの楽譜しか無かったのですが、他の巻やIMSLPを見ると、ヴァイオリンだけでなくピアノや管楽器のパート譜、スコアもありました。楽団のみんなでこの曲集を使って、ホテルやカフェなどで演奏することを想定して作られた楽譜なんですね。
「Sam Fox library orchestra folio. No. 5.」の「ハヤ」(Haya)の楽譜を見ると、
「HAYA Oriental Entr’acte」と書いてありました。オリエンタル・アントラクトは「東洋風間奏曲」ってことかな。
作曲者はルイ・モーリス Louis Maurice。でもモーリスさんについて説明された文を見つけることはできませんでした。
編曲はJ.S.Zamecnikです。ザメクニックさんといえば、Sam Fox社から「Sam Fox MOVING PICTURE MUSIC」、つまりサイレント映画のピアノ伴奏曲集を出した人です。
楽団向けにモリモリ編曲して、すごいなこの人!

【追記】タイトル「HAYA」って何?

(2024.10.29記)
ふと思いついたのですが…
曲名の「HAYA」って、もしかしたら英語じゃないのかも!?
モーリスさんだからフランス語?もしくはそれ以外の外国語?
翻訳機能を使っていろいろ検索してみたら、かかったのはこれ!
「哈呀」(「ハヤ」と読む)、日本語で「笑(えみ)」
もちろんこれだけでは確定できませんが、「オリエンタル・アントラクト(東洋風間奏曲)」という副題からしても、中国語という可能性はあるわ!
そう考えて改めて曲を聞くと、メロディは、西洋人のイメージする中国風なのかもしれないなあ…と思えてきました。
あ~、モーリスさんに聞いてみたいっ!!ほんとは何語なの!?



それにしても、なぜ日本で“映畫音楽研究會”(映画音楽研究会)が、ヴァイオリン・マンドリン向けに映画伴奏曲集を出したのでしょう?はたして需要はあったのか!?
古書として残っているのだから購入者はいたのでしょうが、日本で映画上映のときにこの楽譜が使われたのでしょうか?北海道ではどうなの?興味は尽きません。

YouTube「ikekomandolin」のチャンネルでは、「大正~昭和初期のマンドリン楽譜を弾いてみた」という再生リストも作っています。古書店から購入した、古いマンドリン楽譜を弾いています。どうぞごらんください♪


実は密かにたくらんでいるんですよ…「サイレント映画の楽士になりたい!」

あたらしい曲を作るのではなく、当時演奏されていた音楽を、マンドリンで演奏したいのです。でも、即興で弾くのは難しいし、画面に合わせて弾くのも難しいよねえ。短い映画の一場面でもいいから、合わせて演奏できたらいいなあ。

この動画は、そのための修行のひとつであり、劇伴音楽についての勉強の途中経過でもあります。

超スローペースなアプローチだけどさ。いくつになっても楽しいわ、こういうの!


そうそう、以前、柴田康太郎氏の「1920年代後半の時代劇映画における音楽伴奏の折衷性:和洋合奏・選曲・新作曲 」という論文を読んだのですが、この方、紙屋牧子氏、白井史人氏とともに無声映画の伴奏譜資料「ヒラノ・コレクション」の研究をしている方だったのね。楽士が実際に使った楽譜「ヒラノ・コレクション」ってあるんですね。知らなかった!

「おもちゃ映画ミュージアム」のサイトで見たのですが、ヒラノ・コレクションの楽譜を無声映画に合わせて演奏する“研究発表会”があったそうです。いいなあ~。そういうの見てみたい。

ほかの論文も読んでみようっと!→国立研究開発法人 科学技術振興機構のサイト「researchmap」柴田康太郎から、いろいろ読めます。