2024/09/07

弾きました!北海道教育大学札幌校マンドリンクラブOB・OG会 第14回定期演奏会(おまけ「ヴェニスの一日」原曲さがし)

おかげさまで、終了いたしました!


プログラム表紙

北海道教育大学札幌校マンドリンクラブOB・OG会
第14回定期演奏会

2024年8月24日(土)12:30開場 13:00開演

かでるアスビックホール(札幌市中央区北2条西7丁目 かでる2・7)

入場料 無料

主催 北海道教育大学札幌校マンドリンクラブOB・OG会

後援 札幌市、札幌市教育委員会


2年に一度の、OB会 定期演奏会!

第12回は2019年。第13回は2021年に行う予定でしたが、コロナのため1年延期して2022年に開催しました。

チラシ画像

うわ~、第14回だって。
2年に一度だから、単純計算しても28年経っているってことでしょ。自分も年を取るはずだわ。
たしか自分が妊娠・出産したとき以外は、すべて参加しているはず。


前日は、午前中いっぱい仕事してから札幌に向かい、すぐに前日練習に参加しました。
わたしは、月に2回あった練習に1回ずつしか通えなかったので、フルートが入った練習で弾くのは、このときが初めてでした。吹く楽器と弾く楽器で拍を合わせるのが、やや難しいと感じました。

べらぼうに高い宿泊費をかけて街なかに泊まったので、朝は余裕~。
ヘアアレンジは、細いシリコンゴムで右耳の後ろにハーフアップをつくり、襟足をねじって右に寄せました。「夏の愉しみ♪浴衣でおでかけ」でも書きましたが、簡単だと言われる「くるりんぱ」すらできないぶきっちょで、しばるのは不得意です。
でも、お客様に横顔をよく見せたいし、髪が顔にかかると暗く見えるので、この夏は髪を伸ばしてしばりました。

時間に余裕があったので、父に電話をしてみました。
「今日、かでるに来てね!」とだけ言おうと思っていたら、父ったら
「◯◯(昔の教え子)をコンサートに誘いたいんだけど、年賀状に電話番号が書いてなくて…。◯◯に電話してくれないか」
「ええーっ、今から!?ごめん、わたしこれからリハーサルなのよ。電話番号、わたしの手帳に書いてあった。今から教えるから、がんばって自分で電話して~」
電話番号を数字ひとつずつ教えて書かせて、復唱させたら、数字を逆に読んでしまうんです。見ている数字はわかっていても、自分の口が思うとおりに動かないから、本人はもどかしいでしょうね。あとは、電話番号を正しく押せますように…健闘を祈る!
おっと、急がねば。遅刻寸前!
※後日談:9月に父を訪問したら、わたしがノートに書いた住所録に、◯◯さんの電話番号がちゃんと書いてあったよ!もう~。


マンドリン四重奏演奏会でもよく使う、かでる2・7のホール。
今は、ネーミングライツで「かでるアスビックホール」といいます。
ステージリハーサルは、なかなか調子が良いですよ。トリの曲は大変ですが…。

開場したのでロビーに行ってみたら、父が無事到着。
◯◯さんには電話できて話せたけれど、お誘いは断られたそうです。
こんどはもっと早いうちに誘いましょう。
でも、電話番号を間違えずに押せたのね。大成功!
今回のコンサートは、開演時刻がこれまでより30分早くなったので、ロビーにスマホを持って行けず、父との写真は撮れませんでした。
でも、写真屋さんに撮っていただいたので、あとから手に入るかも。
本番中ステージから客席を見ると、そばに父の同級生さんがいました。前々からお誘いしていたので、また会えてよかったです!

【演奏曲目】
第1部
・序曲「過去への尊敬」  L.メラーナ=フォクト作曲
・詩人の瞑想  G.マネンテ作曲
・カタリー  S.カルディロ作曲/山下嘉昭 編曲     
・秋桜(コスモス)  さだまさし作曲/中川信良 編曲
・ひまわり  ヘンリー・マンシーニ作曲/中川信良 編曲
・浪漫的協奏曲No.14  K.ヴェルキ作曲

第2部
・麦の唄  中島みゆき作曲/本川 監 編曲
・夕映えの詩 本川 監 作曲
・ハンガリーの旅  F.メニケッティ作曲
・ヴェニスの一日  E.ネヴィン作曲/中野二郎 編曲
  Ⅰ.Alba(夜明け) Ⅱ.Gondolieri(ゴンドラ漕手たち)
  Ⅲ.Canzone Amorosa(愛の唄) Ⅳ.Buona Notte(おやすみなさい)
・月に舞う   武藤理恵 作曲

「過去への尊敬」、もともとは「労働と芸術」という題名だったんですってね。自分も労働して、こうして集って演奏して、楽しさを分かち合っていると思うと、そちらの題のほうが曲に合っているような気がしました。

「詩人の瞑想」は、マンドラとギターのソロで始まりました。OBならではの、大人の演奏でした。
年を取ると、速い曲が苦手になったりポップなリズムが弾きにくくなったりしますが、こういう曲はしみじみとした演奏になると思います。

実は今回、4名の指揮者のうち、最年長のYさんが急に出られなくなってしまいました。
他の指揮者さんが代理で振るとはいえ、Yさんが作り上げてきた演奏をうまく表すことができるかと、不安でした。
でも本番では、「これまで練習してきたことを、そのまま表現すればいいんだ」と思い、いつもどおりに演じることができました。
この演奏が、Yさんに届きますように(あとで録音を聴いてくださ~い)!

第2部の始まりは、指揮者さんによる編曲と作曲です。
どちらも(しかも指揮まで)できるって、すごいよね!
「夕映えの詩」良い曲です。

メニケッティを弾き終わったあと、あれっ、コンマスさんが放心状態!?
マンドリン弦が切れているようですが、切れた弦を外そうとしている?いや、それは置いといて、スペア楽器を使いましょう。
本番中に、そういうこともあるんですねえ。そりゃ動揺するわ。

ネヴィンさんの曲は、もともとはピアノ曲。最初、マンドリンで弾くのは難しすぎるのではないかと思っていました。
しかし、しだいにKさんの指揮に乗せられて、ふわりとロマンチックな演奏になってきました。ギターの使い方も効果的で、ピアノとは違った雰囲気を出すことができたと思います。
1楽章のギターや4楽章のセロが、ほんとうに「歌って」いる感じで、とってもよかった~。
そして最後の曲「月に舞う」といったら!舞うというよりヘドバンしてるような激しさでした。ちゃんと弾けなかったところもありました…。
今回は、アンコールとクラブのテーマ曲「郷愁」だけ弾きませんか、という企画がありました。そこに2名の方が参加しました。いっしょに弾けたのは、何年ぶりでしょうか。うれしい~。時々で良いので、合奏に加わってもらえたらいいですね。

マンドリン仲間のお客さまから、お花やプレゼントをいただきました。ありがとうございます!
終わった後、お客様から「弾き方がきれいでした」と言われ、嬉しかったです。
高齢化してきた札教大OB会ですが、弾く楽しみは衰えません。
まだまだ弾いたことのない曲がいっぱい!次は何を弾きましょうか。


おまけ

「ヴェニスの一日」原曲さがし

ネヴィンさんの「ヴェニスの一日」は、個人的に大好きな曲。
甘くて美しい旋律、軽妙で流麗なオーケストレーション。
弾いていて、とても楽しかったです。
もともとはピアノ曲で、1898年(明治31年)に The John Church Company から楽譜が出版されています。

GIORNO IN VENEZIA (A Day in Venice)
   Ethelbert Nevin  Op. 25 (1898)
1 Alba(Dawn)  
2 Gondolieri(Gondoliers)
3 Canzone amorosa(Venetian love Song)
4 Buona Notte(Good Night)

原曲はどんな曲かなと思って、調べてみました。
IMSLPで当時のピアノスコアを見ることができます。
1898年発行。美しい挿絵や詩が添えられている楽譜です。

あっ、ちなみに「ヴェニスの一日」5曲説なんてのもあるようですが、青山涼さんも“note”で検証していました。楽譜やレコードを見ると、やっぱり4曲でしょうね。


Ethelbert Nevin: Un Giorno in Venezia (A Day in Venice), Op.25
Phillip Searさんのピアノ演奏です。この方はわたしの探している曲を演奏していることが多いので、よく聴くようになりました。

A Day in Venice (Nevin) played by Milton Suskind : AMPICO 100205
こちらはピアノロールの再生動画!Milton Suskindの演奏です。
ピアノロールについても、もう少し知りたいです。

Ampico Lexington - Gondoliers op.25, no.2 (Nevin) - Volavy
こちらもピアノロール。
Marguerite Volavyによる1917年の演奏で、2曲目の「Gondoliers」です
同じピアノロールを再生した、別の動画もあります。


E. Nevin: A Day in Venice, Op. 25
こちらもピアノロールの再生。3・4曲目のみ。
No. 3: Venetian Love Song
No. 4: Good Night
waukee321さんのチャンネルでは、数多くのピアノロール再生動画が見られます。

Ethelbert Nevin (1862-1901): Suite: A Day in Venice, Op. 25
1929年、オーケストラ演奏のレコードですって!
Nat Shilkret指揮、Victor Salon Orchestra and the Victor Salon Groupの演奏です。
4曲目「Good Night」の冒頭に、「アヴェ・マリ~ア♪」という合唱が入っています。
上記のピアノスコアにも、実は音符の上に“Ave Maria”と書かれていました。やはり歌を想定していたのでしょう。

"Dawn & Gondoliers" fm: A Day in Venice - Suite Romantique..B.A. Rolf & Orch..Jacobean Edison
"Venetian love Song & Good Night".fm: Sweet Romantique...B.A.Rolfe & concert Orch. Jacobean Edison
これは同じレコードの表面と裏面を再生したものです。
流麗で優美な演奏です。

日本のマンドリン界で生き残る洋楽

「ヴェニスの一日」について、オーケストラ等の演奏は、SPレコード以外では聞きません。
ピアノで演奏されることはあるようで、検索すると海外のいくつかの動画に行き当たりますが、数は少ないです。
ピアノロールやSPレコードが売られたくらいだから、100年ほど前に流行っていた曲だとは思いますが、現代では、有名な曲とは言えないでしょう。
一方、中野二郎が編曲したマンドリンオーケストラ版の楽譜は、日本のマンドリンオーケストラで演奏される機会が多いようで、ちょっと検索しただけでも13の動画がありました!
わたしは今回初めて演奏しましたが、OB会の先輩がたは現役のときに弾いていたそうですし、道外の団体の方々のほうが「知ってる!」「弾いたことある!」と反応が良かったです。
かつて日本で洋楽を取り入れる過程で、中野氏も、このロマンティックな曲をマンドリンで演奏したいと思ったのでしょう。
この曲が日本のマンドリン界で生き残ったのは、興味深いことですね!

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