2025/05/10

【宣伝】札幌市民芸術祭「マンドリン音楽祭」のおしらせ♪

 


札幌では、毎年5月にマンドリン音楽祭があります。

今年はわたしは出ませんが…宣伝しま~す!

ちなみに、2023年2024年は出ました!


令和7年度札幌市民芸術祭「マンドリン音楽祭」

2025年5月25日(日)12:45開場/13:30開演

札幌市教育文化会館大ホール

(札幌市中央区北1条西13丁目)

入場料 無料


開場後、13時から「プレ・コンサート」があります。

楽器体験コーナーもあります。開演前および第1部のあとの休憩のときに、ホワイエで楽器にさわることができますよ。

少人数の演奏も、大人数の合奏も聴けます。学生さんもがんばっています。


5月の札幌は、マンドリンの音色がよく似合います。

ぜひ聴きに来てくださいね。

わたしも(演奏はしませんが)会場におります。

2025/05/04

サイレント映画の伴奏曲集♪明清楽から復興節!?「沙窓」(紗窓)

サイレント映画の伴奏曲集、しかも“ヴァイオリン・マンドリン楽譜”が、昭和初期に市販されていたんですよ~。

マンドリン用の楽譜ですって!?それは弾かねば!

というわけで、今回弾いたのは…

「現代映畫伴奏曲集 前編」(7)沙窓/mandolin


使用した楽譜はこちら!

映畫音樂研究會編 NO.3
「シンフオニー ヴァイオリン マンドリン 樂譜 現代映畫伴奏曲集 前編」


《奥付》
昭和二年五月一日印刷
昭和二年五月三日發行
定價 金五拾錢
編者 映畫音樂研究會
印刷發行者 草野 茂
東京市牛込區西五軒町三十四番地
發行所 シンフオニー樂譜出版社
電話牛込六九〇九番
振替東京六九一二七番


1ページ「映畫伴奏振附解說」では
「支那劇或は日本映畫中の支那街等の場面に用ひらる。」とあります。


それにしても、この曲は「Sam Fox Moving Picture Music 」や「Schirmer's Photoplay Series」のようなアメリカの映画伴奏曲集には入っていません。
日本の曲?あるいは日本で流行った曲なのかな?
と思って調べたら…

もともとは明清楽「紗窓」

わたしの弾いた楽譜やSPレコードでは「沙窓」と書いてありますが、もともとは「紗窓」と書いて「さそう」と読むそうです。
明清楽(みんしんがく)といって、中国が「明」、あるいは「清」の時代に日本に伝わった音楽を、月琴や唐琵琶、笛などの楽器を弾きながら歌うんですって。
月琴いいなー、ひいてみたい。

「紗窓」の曲や歌詞について、明治大学教授の加藤徹さんが「加藤徹のホームページ」内の「紗窓(明清楽資料庫)」で、明清楽から長崎民謡、復興節まで資料を集め、とても詳しく紹介していますよ!

明清楽で歌う漢詩[HD] karaoke 「露月」「紗窓」
上記の、加藤徹先生が公開している動画です。
歌詞は李白の七言絶句だって。うわー、漢文でお目にかかったあの李白ですか!!
読み方も出てくるので、みなさんご一緒に歌いましょう。さん、はい!

長崎の明清楽 第41回長崎郷土芸能大会 長崎市民会館体育館 20161002 150102
なんと!現代も演奏されている明清楽。2016年の演奏です。
しかも14分0秒から「紗窓」が入るよ!優雅な演奏です。

長崎県長崎市のサイトで紹介されていますが、「長崎明清楽」は県指定無形文化財になっているんだって。うお~すごいな!!「紗窓」は、原語で歌っているそうですよ。

日本語の歌詞もある!

【清楽月琴生演奏】 紗窓(長崎民歌版)
「春は三月 風頭 金比羅山参りの賑やかさ…」という、日本語の歌詞がついた歌です。

SPレコードみつけた!


【清楽演奏】 01 沙窓 【SP盤】
鳩印のトーアレコード。「東亞音樂團」による演奏です。
「78MUSIC」というサイトによると、1920~1923年に発売されたレコードのようです。
なんかすごい!ズンズンズンズンズンズンゴーン!!
日本のSPレコードについて詳しいサイト「78MUSIC」に明治・大正期のレコードの目録のページがあり、このレコードについても名前が載っています。


支那音曲玉手箱 沙窓、黄河の蓮 第1 西條管弦楽団
ポリドールレコードから出ている、管弦楽団による演奏です。
メロディは、わたしの弾いた楽譜によく似ています。
それにしても、ずいぶん威勢の良いこと。

こちらは「復興節」!

大正12年、関東大震災の後に、演歌師 添田さつきが作った「復興節」。
「家(うち)は焼けても江戸つ子の 意気は消えない 見ておくれ」で始まる「帝都復興エーゾエーゾ」の歌。「紗窓」のメロディをもとにしているけれど、軽快な曲調です。
これを聞いて、元気づけられた人も多かったことでしょうね。

復興節(鳥取春陽)80rpm
オリエントレコード。ゆったりした演奏です。
街頭演歌師、鳥取春陽の最初のレコードだそうですよ。

復興節-上-(斎藤一聲)80rpm
復興節-下-(鳥取春陽)80rpm
同じレコードのA面とB面です。こちらはヒコーキレコード。
A面とB面で違う人の名前がありますが、同じ人が演奏して、二人で歌っているように聞こえますね。


# 復興節
こちらはSOUL FLOWER MONONOKE SUMMIT(ソウル・フラワー・モノノケサミット)による演奏!1995年阪神・淡路大震災の後に歌うようになったそうです。
後半で「うちは焼けても神戸っ子の…」と歌っていますね。


なるほど、江戸時代後期に清国から入ってきた歌が、日本で楽器をともなって演奏され、日本語の歌詞がついたりマーチ風に演奏されたり、はたまた震災復興の替え歌になったりして、愛唱されているんですね。
なぜこの曲が「現代映畫伴奏曲集 前編」に入ったか、わかったわ~。それだけ日本で流行したということなんですね。
そして流行は過ぎても、今も日本で大切に歌われている歌だということがわかりました。
現代の中国では、歌われているのかな?どうでしょう。そのへんももう少し知りたいです。
曲にまつわるあれこれを知ったので、わたしの演奏動画では、復興節ふう(あるいはSPレコードのマーチ風)と明清楽ふうの2パターンで弾いてみました。聴いてみてね。

2025/05/01

サイレント映画の伴奏曲集♪イースターにちなんで「エイスターモーン」

昭和初期に市販されていた、マンドリン用の楽譜を弾いてみたシリーズ!

今回弾いたのは、ザメクニックさんの「エイスターモーン」。

むむ、「イースターモーン」じゃないの!?

2025年のイースター(復活祭)は、4月20日だそうですよ。イースターにちなんで、4月20日に動画を公開しました。

忙しい時期でしたが、たまたま札幌で午前中空いたので、スタジオを借りてマンドリンの練習をしました。

普段はスマホで撮るだけですが、このときはタブレットで撮影して、録音機で録った音源を編集で合わせました。そのため、ずいぶん響きが良く聞こえます。


およそ100年前のマンドリン楽譜!

使った楽譜は、こちらです。1927年(昭和2年)発行の市販楽譜です。
当時の映画は、まだサイレント(無声映画)だったんですよね。
だから映画の説明も音楽もその場で行う、いわばライブですよ!
同じ映画でも、弁士や楽士によって、使う曲も雰囲気も変わったことでしょうね。

《表紙》
シンフオニー ヴァイオリン マンドリン 楽譜
SINFONIE VIOLIN OR MANDOLIN SOLOS
現代映畫伴奏曲集 後編
映畫音樂研究會編 NO.4


裏表紙《奥付》
昭和二年七月一日印刷
昭和二年七月三日發行
定價 金五拾錢
編者 映畫音樂研究會
印刷發行者 草野 茂
東京市牛込區西五軒町三十四番地
發行所 シンフオニー樂譜出版社
電話牛込六九〇九番
振替東京六九一二七番

《楽譜》
(3)Easter Morn
  エイスターモーン
   (ZAMECNIK)     悲劇、哀傷的場面

作曲者は、この時代にサイレント映画で大活躍したジョン・ステパン・ザメクニック John Stepan Zamecnik(1872-1953)。数多くの映画伴奏曲を作曲したり編曲したりしていました。

なんかね、わたし、この時代の楽譜を弾くようになって、ザメクニックさんは自分の中で超有名人になっていますよ。いけこも歩けばザメクニックに当たる。

ところがね…意外にも、もとの楽譜が見当たりませんでした。

「イースターの朝には 白百合を生けましょう」という歌詞の聖歌もありますが、それとは違う曲でした。

SPレコードやオルゴールの演奏音源も見つかりません。


ナイジェリアで演奏!

ところがね、遠くナイジェリアで演奏されているのを発見しましたよ!!

ナイジェリアにある、アポストリック・フェイス教会オグン中央本部のYouTubeチャンネルから。いずれも、イースターコンサートのライブ配信です。

2022年、2023年、2024年のイースターコンサートで、「Easter MornーOrchestra」を演奏しています。

これらの演奏を聴いてみると、この曲は、最初と最後が活気のあるマーチ風なんですね。中間部に、わたしの弾いたメロディがあります。

2022 Easter Concert 17-04-2022. Apostolic Faith Church Ogun Region
2022年のコンサート。1時間21分24秒あたりで、「Easter Morn」の演奏が始まります。

2023 Easter Concert 09-04-2023. Apostolic Faith Church Ogun Region
2023年のコンサート。1時間19分23秒あたりから曲が始まります。

2024 EASTER CONCERT 31-03-2024. Apostolic Faith Church Ogun Central
2024年のコンサート。1時間12分57秒あたりから、曲が始まります。

その年によって、演奏者の衣装がシックだったり色とりどりだったりして、興味深いですね。会場では扇風機がまわっていて、3月や4月でも暑いのかなあ?などと想像が膨らみます。
原曲の楽譜や昔の音源はみつからなかったものの、こんなに遠くで演奏されていることに感激しました。
原曲探しに進展があったら、追加しますね!

2025/04/17

いけこの曲紹介♪「あなたにあげよう」

【過去記事】前のブログに掲載していた記事の、再掲です。

いけこの作った曲を、随時紹介しています。

今回は、

「あなたにあげよう」

2010年作曲

マンドリン、マンドラ1、マンドラ2の三重奏という、ちょっと変わった編成です。

所要時間は、約4分です。


【解説】

2010年5月の「マンドリン音楽祭」に出場するにあたって

メンバーの担当楽器に合わせて書き下ろした曲です。

あふれる思い、伝えたい気持ちを、

やわらかなメロディと あたたかな和音で

あらわそうと試みました。

だれに、何をあげるかは

ひとそれぞれで よいと思います。


2010年といえば、コンクールに向けて半年くらいかけて、マンドリンオーケストラの曲「冬の足音」を作っていた時期です。

でも、「3人でマンドラ弾いて、音楽祭に出よう!」と決まったときに、「どうせならマンドリンも弾きたいなあ…」と思いたち、3月頃、実質3日、楽譜を整えて1週間で作った曲です。


中間で、マンドラのドローンの上を、マンドリンが自由に跳ねまわります。

最後の音は、親指で弾いて、優しい音をつくります。


2010年の練習時の録音を掘り起こし、フルバージョンの紹介ムービーを作ってみました。

当時のグループ名は「ドラの穴」。

のちに「マンドリンユニットMarsupiale(マルスピアーレ)」という名前になりました。

あなたにあげよう/mandolin trio

画像は、昔よく行ったお店、春の風景、そして小さいころのぼんず(長男)とえぶたん(次男)です。

徐々に、大きくなっています。

最後に、えぶたんがママにさし出しているのは…小石?


あなたにあげよう.sample

こちらは、2011年にupした、サンプル音源。

同じ練習時の録音ですが、こちらは後半フェードアウトしています。


お問い合わせ・楽譜ご要望の際は、

①PC版でブログをご覧の方は、右側下の「いけこへの連絡フォーム」でご連絡ください

②当ブログまでコメントをください

コメントのメールアドレス欄にアドレスをご記入いただければ、後ほどメールを送ります。

(ご記入いただいたアドレスは、管理人であるわたしのみ見ることができますが、ブログ上では公開されません)


いけこの作った曲、ほかにもいろいろあります!→【作曲】いけこのマンドリン曲リストを、ごらんください

2025/01/04

サイレント映画の伴奏曲集♪デッペンの「ヂアパニース サンセツト」

あけましておめでとうございます!
2025年のはじまりに、演奏動画をどうぞ。

「現代映畫伴奏曲集 前編」(17) A Japanese Sunset
ヂアパニース サンセツト/mandolin


使用した楽譜は、今回もこれ!
映畫音樂研究會編 NO.3
「シンフオニー ヴァイオリン マンドリン 樂譜 現代映畫伴奏曲集 前編」


《奥付》
昭和二年五月一日印刷
昭和二年五月三日發行
定價 金五拾錢
編者 映畫音樂研究會
印刷發行者 草野 茂
東京市牛込區西五軒町三十四番地
發行所 シンフオニー樂譜出版社
電話牛込六九〇九番
振替東京六九一二七番


1ページ「映畫伴奏振附解說」より
此曲は日本の日沒を表したる曲にして、現代劇、時代劇を通じて日沒の場面に用ふ、映畫によりては開幕又はラストシーン(終局)の場合に演奏するも可なり。

昭和2年(1927年)の発行物なので古い字体で書いてありますが、
「映畫」=映画、「日沒」=日没ね!
楽譜の題名は「ヂアパニース サンセツト」ですが、
目次では「ヂヤパニース サンセツト」、
解説では「ジヤパニース サンセツト」と、表記が揺れまくりです。
5月1日に印刷して2日後に発行する前に、校正をなんとかしてほしい…。

楽譜に書いてある小さい玉の音符は、主なメロディをイヤホンで聴きながら弾きました。
動画編集ソフトで切り貼りして、片隅にうまく重ねました。

作曲者はジェシー・L・デッペン

この楽譜には作曲者が書いてありませんでしたが、ちょっと検索するとピアノやオルガン、SPレコードの演奏を見つけることができたので、きっと原曲の楽譜もあるだろうなと思って、探してみました。
作曲者は、アメリカで活躍した女性の作曲家、ジェシー・L・デッペン Jessie L. Deppen(1881-1956)

楽譜はピアノ版とオーケストラ版

サム・フォックス出版会社 Sam Fox Pub. Coから、「Parlor Salon Sheet Music Collection」という楽譜のシリーズが多数発売されていて、この曲は1916年にピアノスコアとして発行されています。
アメリカ・メイン大学のサイト DigitalCommons@UMaineで、当時のピアノ・スコア(PDF)が公開されています。表紙は、夕日を背にしたあずま屋の絵。日本風…なのか?
楽譜には「Composer “Eleanor”(「エレノア」の作曲者)」と書いてあります。

国際日本文化研究センター(日文研)のサイトでは、日本について書かれた外国の文献を集めています。「1900s Music Scores」という19世紀の楽譜を集めたページで、上記のピアノ・スコアも見られます。
プッチーニの「蝶々夫人」ならわかるけれど、ゲイシャとかキモノとかジンリキシャとか、すごいタイトルの曲がせいぞろい!みんな日本がめずらしかったのね。

IMSLPでは、ザメクニックさんが編曲したオーケストラ楽譜1916年、サム・フォックス社)が見られます。ピアノ、フルート、クラリネット、コルネット×2、トロンボーン、ティンパニとチャイニーズゴング(銅鑼)など(他にトライアングルとベル)、ヴァイオリン1、ヴァイオリン2、ヴィオラ、チェロ、コントラバスのパート譜がありました。各パート譜を見ると、オーボエとホルン、バスーンのガイドが書いてありました。
「現代映畫伴奏曲集 前編」に掲載している楽譜は、補足的に書かれたフレーズが、このオーケストラ版と同じでした。

また、上記と同じアレンジと思われるザメクニックさん編曲のオケ用楽譜が、「Sam Fox Library Orchestra Folio」Volume2 1916年、サム・フォックス社)の、4曲目に掲載されています。この曲集の表紙には、「A collection of select compositions for hotel, cafe, theatre, moving picture and concert orchestras」と書いてあります。ホテル、カフェ、劇場、映画、コンサートオーケストラ向けの曲を掲載した曲集ってことね。この曲集のお値段を見ると、ピアノまたはオルガンパートは1ドル、その他の各パートは50セントだって。

演奏いろいろ

ピアノ演奏

Jessie L. Deppen: A Japanese Sunset
昔の楽譜を掘り起こして数多く弾いている、Phillip Searさんのピアノ演奏。
サム・フォックス社のピアノ・スコアを弾いています。

レコード以前の音楽再生装置、ピアノロール!

Ampico Lexington - A Japanese Sunset - Delcamp

J.ミルトン・デルキャンプ J.Milton Delcamp  (1892 - 1931)さんの重厚なピアノ演奏。レコードが普及する前は、ピアノロールが音楽再生装置だったそうです。


フォックストロットにアレンジしたピアノロール!

JAPANESE SUNSET foxtrot 1923 (Deppen arr. Zamecnik) played by M Purvey 
ECHO DANCE ROLL D1455V
わたしにとってはおなじみのジョン・ステパン・ザメクニック J.S.Zamecnikさんが、この曲を、なんと当時流行のダンスミュージック、フォックストロットにしちゃいました!
1923年、M.Purveyさんのピアノ演奏を、ピアノロールにしたものです。

SPレコードみつけた!

"Japanese Sunset" and "Rosita" by Paul Ash and His Granada Orchestra, 1923
こちらもザメクニックさんアレンジのフォックストロット。
ポール・アッシュとグラナダ・オーケストラが演奏した、レコードです。
ラベルに「For Dancing(ダンス用)」って書いてある!
動画の後半はレコードの裏面で、「ロジータ」という曲です。

Japanese Sunset - Paul Ash & his Granada Orchestra Brunswick Records #2517 1923
上と同じレコードですね。A面だけ再生しています。

Savoy Havana Band - A Japanese Sunset (Columbia3296) (1923)
これも曲調がフォックス・トロットですね。サヴォイ・ハバナ・バンドの演奏、1923年。
レコードのラベルに「ロンドンのサヴォイ・ホテルにて」と書いてあります。

Jack Shilkret's Victor Salon Orchestra A Japanese Sunset 1924 
(Victor 19481-A)
ナサニエル・シルクレット Nathaniel Shilkretさん編曲の、ビクター・サロン・オーケストラによる演奏。1924年。
ザメクニックさんのオーケストラ楽譜に最も近い演奏ですが、15~18小節の4小節がカットされています。

A Japanese Sunset - Seiberling Singers - 1928
SEIBERLING SINGERSの演奏、1928年のレコードです。なんと男声四重唱!


ほかに、イギリスで活躍した劇場オルガン奏者、サンディ・マクファーソン 
Sandy MacPherson(1897-1975)の演奏もあります→YouTube「A Japanese Sunset


Discogs」というサイトでは、彼女の作曲した曲のレコード等をまとめて紹介していました。「エレノア」は、「現代映畫伴奏曲集 前編」にも「エレアノル」という題で載っているので、こんどマンドリンで弾いたときに、音源を探しやすいかも!

日本の情景→アメリカ→日本へ

もともとは、アメリカの作曲家が日本の情景を描いた曲。
ピアノでもオーケストラでも演奏され人気が出たので、さらにゴキゲンなダンスミュージックにアレンジされちゃいました!
この曲が日本にも伝わり、その壮大な曲調から映画音楽の伴奏にも合うと考えたのでしょうね。ザメクニックさん編曲のオーケストラ版をもとにして、そのメロディを映画伴奏の曲集に掲載したんですね。
そんなストーリーが見えてきました。
  

YouTube「ikekomandolin」のチャンネルでは、「大正~昭和初期のマンドリン楽譜を弾いてみた」という再生リストがあります。
古書店などで100年近く前の市販楽譜を手に入れて、弾いています。
お時間ありましたら、ごらんくださいね!

2024/12/30

いけこの曲を弾きます♪第54回マンドリン四重奏演奏会

2024年も、そろそろおわり。

2025年も、マンドリン弾きます!

コンサートのお知らせです♪


一般社団法人日本マンドリン連盟北海道支部主催
第54回マンドリン四重奏演奏会
2025年1月26日(日)12:30開場 13:00開演
かでるアスビックホール
(札幌市中央区北2条西7丁目かでる2・7)
入場料 無料(全席自由)
後援 北海道教育委員会、札幌市、札幌市教育委員会


1グループ10分以内で、いろんな方々の演奏が楽しめる演奏会です。
場所は“かでる2・7”のホール。北大植物園の向かい側です。
わたしは、Sound-Hole(サウンド・ホール)というグループで、4人で出ます。
わたしの作った曲「3月の道標(みちしるべ)」を演奏します。


高校生もグループを組んで複数出るし、また今回は道内各地から参加があるそうなので、楽しみです。
1月26日は、札幌・かでるでお待ちしてます!

2024/12/07

サイレント映画の伴奏曲集♪「ラヴスオールドスエートソング」は19世紀のヒットソング!

※2024.12.27 オルゴールやSPレコードの動画を追加しました

サイレント映画の伴奏曲集を弾きつつ、当時の映画につけられた音楽や100年前にはやった音楽について調べています。

今回はこの曲!

「現代映畫伴奏曲集 後編」(4)
Love's Old Sweet Song ラヴスオールドスエートソング/mandolin

使った楽譜はこちら

《表紙》
シンフオニー ヴァイオリン マンドリン 楽譜
SINFONIE VIOLIN OR MANDOLIN SOLOS
現代映畫伴奏曲集 後編
映畫音樂研究會編 NO.4


裏表紙《奥付》
昭和二年七月一日印刷
昭和二年七月三日發行
定價 金五拾錢
編者 映畫音樂研究會
印刷發行者 草野 茂
東京市牛込區西五軒町三十四番地
發行所 シンフオニー樂譜出版社
電話牛込六九〇九番
振替東京六九一二七番

《楽譜》
(4)Love's Old Sweet Song
  ラヴスオールドスエートソング
     Serenade
     (MOLLOY)     物寂しき哀傷場面


マンドリンでも弾きやすい、#1つのト長調です。
それにしても、「スエート」って何さ!スウィートじゃないんだー。
MOLLOY(モロイ)って作曲者の名前かな?と思って、調べてみました↓

楽譜で流布する19世紀のヒットソング!“パーラー・ソング”

「Love's Old Sweet Song」は、1884年に作られた歌。
歌詞はグラハム・クリフトン・ビンガム Graham Clifton Bingham(1859‐1913)。
作曲は、アイルランドの作曲家ジェームズ・ライナム・モロイ James Lynam Molloy(1837-1909)。
1884年に初めて歌ったのは、コントラルト(女声の最低音域)の歌手、アントワネット・スターリング Antoinette Sterlingさん(1841-1904)。ロンドンでのコンサートだって。

ジョンズ・ホプキンス大学 Johns Hopkins Universityのサイトで、楽譜が見られます。
T.B. Harms & Co発行、ヘ長調、♭1つ
M.D. Swisher発行、変ホ長調、♭3つ

IMSLP(国際楽譜ライブラリープロジェクト「ペトルッチ」)では、以下の4種類の楽譜が見られます。
・高音用(Delux Music Co発行、変イ長調、♭4つ)二人の女性のうち一人がマンドリンを弾いている、優美な表紙!
・中音用(M.D. Swisher発行、変ホ長調)上記のSwisher版とは表紙が違う
・低音用(Boosey & Co.発行、ヘ長調)
・低音用(D.H. Baldwin & Co.発行、ヘ長調)
ずいぶんいろいろ楽譜がありますねえ。

Wikipediaでは、「Love's Old Sweet Song」を「ビクトリア朝のパーラー・ソング」と説明しています。
パーラー・ソング」は、家庭の応接間で演奏されたポピュラー音楽なんだって。
シートミュージック」という楽譜で19世紀に普及したそうです。
1曲1枚だから好きな曲を安く買えて、家にある楽器を弾いて、歌って…楽しそうですねえ。
その後、ラジオやレコードが普及すると、楽譜を買って歌う文化は衰退しちゃったんですって。
ああそういえば、今回使った曲集はともかく、今わたしが古書店で買っている「ヴァイオリン・マンドリン楽譜」も、1曲1枚のものが多いなあ。日本における洋楽の普及にはやや時間がかかっているので、時代はやや遅れますが、これも日本のシートミュージックと言えるんじゃないかしら。

オルゴールは音楽再生装置だった!

Love’s Old Sweet Song. Stella Grand 17 1⁄4 " Nr-262
まあ素敵!ディスク型のオルゴール(ミュージック・ボックス)です。
自動ピアノやオルゴールについては、かつて東京にあった「オルゴールの小さな博物館」(2013年に閉館)が残しているサイトにくわしく載っていました。
動画のディスクには製造年が書かれていないのですが、「Stella」ステラは
スイスのメルモド・フレール社が1896年に発売した、突起のないディスクだそうです。
「17 1/4」は17.25インチ、約44センチメートルだって。

Love's Old Sweet Song. James Lynam Molloy. Mira 18 1/2" .Nr-262
「Mira」「18 1/2」から調べてみたら、上記「ステラ」と同じ
スイスのメルモド・フレール社が、「Mira」ミラという製品を製造していました。
1902年に発売されたミラのディスク7種類の中には、
18.5インチ(約47cm)のディスクもあったそうです。大きいですね!
このディスクは、ステラ版と同じ曲構成ですが、ゴージャスなアレンジです。

40年後に映画の曲に!

1923年に「Love's Old Sweet Song」という題名で20分の短編映画が作られ、この歌がつかわれました。
映画はまだサイレントの時代でしたが、Wikipediaによると、1923年に、サウンド・オン・フィルム方式(フィルム上に音声を収録する部分がある)で作られた短編の発声映画が、ニューヨークで上映されたんだって。じゃあこの映画も、発声映画のさきがけだったのね!
この歌はパーラー・ソングとして大ヒットしたので、若者はもちろん、この歌をよく知っているお父さん・お母さん世代やおじいちゃん・おばあちゃん世代にもウケる映画を作ったのでしょうね(そのような文章が、当時のチラシに書いてありました)。
長編のトーキー(映像と音声が同期した映画)は、1927年の「ジャズ・シンガー」が最初。
それより4年前に、もう音声つきの映画ができていたなんて、すごいなU.S.A!

SPレコードの演奏も多い!

ELIZABETH DEWS - Love's old sweet song (HMV B327) (recorded 1906)
女声の音域で「コントラルト」ってあるのね!知りませんでした。1906年の録音。
Madame DEWS と呼ばれるこの人のこの歌のレコード、レーベルの色が違いますが、セカイモンで売られていました。出品者はフランスの方のようです。


(1911) Venetian Instrumental Trio Plays J. L. MALLOY's "Love's Old Sweet Song"
ヴェネチアン・インストゥルメンタル・トリオ、1911年の録音。
フルートとヴァイオリンとハープの演奏です。

Loves Old Sweet Song - Neapolitan Trio Victor Records #35196 1911
ナポリタン・トリオ、1911年の録音。上と同じフルートとヴァイオリンとハープという編成ですが、アレンジが少し違う気がします。

Chester Gaylord - Loves Old Sweet Song 
(High Quality - Reduced Noise) 2021 Remaster
Wikipediaによると、1920年のレコードだそうです。
サキソフォンの演奏は、チェスター・ゲイロード。

Amelita Galli-Curci - "Love's Old Sweet Song" (Molloy)
アメリータ・ガリ=クルチ(コロラトゥーラ・ソプラノ、1882‐1963)の歌声。
1923年の録音です。


British Contralto Clara Butt ~ Love's Old Sweet Song (1923)
クララ・バット(1872-1936)のコントラルト、1923年の録音。

↓さらに見つけたので、追加したよ!

Max Dolin Love's Old Sweet Song 1925 (Victor 19592-A)
SPレコードを聴いていくと「マックス・ドリン・オーケストラ」という名前に行き当たりますが、このレコードはマックス・ドリン(1888-1976)のヴァイオリンにピアノ伴奏という、シンプルな編成。1925年。ロマンチックな演奏です。

John McCormack - Love's Old Sweet Song (Just a Song at Twilight) (1927)
ジョン・マコーマック(テノール歌手、1884‐1945)、1927年の録音。


Love's Old Sweet Song (Just a Song at Twilight) J. L. Molloy
Patricia Hammondさんのメゾ・ソプラノがすてき!
この方は、さまざまな歌の動画を継続して公開しています。

日本語の歌もあるよ!

やさしき愛の歌 ♪はるけき古の日 宵闇迫りし時 堀内敬三訳詞・モロイ作曲 Love's Old Sweet Song
なんと、堀内敬三の訳詞があったんですね!

なつかしき愛の歌
1952年(昭和27年)、藤山一郎が歌っています。
「歌声はかえりくる 霧ふる街角にも」で始まる、野上彰の作詞。

うたごえ喫茶『なつかしき愛の歌 』歌声喫茶。Lover'sOldSweetSong。
 作詞G. Clifton Bingham 作曲:James Lynam Molloy 【作詞】近藤玲二
「黄昏のともしびは いとしくもほのぼのと」で始まる、近藤玲二の作詞。
日本ではこの歌詞で歌われることが多いようで、鮫島有美子さんや錦織健さんなど、動画でもいくつか見られました。



"Just a song at twilight"のメロディが、ロマンチックでよいですね。
後半の盛り上がるところ、“たとえ心疲れて悲しく長い一日でも、黄昏時になるとあの懐かしい愛の歌が聞こえてくる”…という(アバウトな訳ですみません)ところは、人生の黄昏時とも読み取れます。
わたしは一度、この曲を弾いて動画を取ったのですが、歌であるとわかってから、歌詞を調べ、歌の雰囲気がもっと出るようにこころがけて弾き直しました。

19世紀のヒットソングは、オルゴールになり、レコードに吹き込まれ20世紀初頭もロングセラー、音声付き映画のさきがけとして使われ、日本に伝わって今でも愛唱されている…。
今回は、古い楽譜の一曲から、歌の歴史をたどる旅となりました。

2024/11/30

サイレント映画の伴奏曲集“後編”も弾いていくよ!「夕べの祈り」

わたしが使っているマンドリンは、1927年(昭和2年)に作られたエンベルガーマンドリン。

このマンドリンと同じ年に発行された“ヴァイオリン・マンドリン楽譜”を手に入れては、弾いております。

最近は、「現代映畫伴奏曲集」(げんだいえいがばんそうきょくしゅう)という曲集を弾いています。

明治~大正~昭和初期の映画はサイレントだったので、弁士が内容を説明し、楽士が音楽を演奏していたんですって。今思うとぜいたくですねえ。

マンドリンを弾く楽士って、どのくらいいたのかな?どんな映画にどんな曲を弾いていたのかな?…と、興味は尽きません。

できることなら、サイレント映画のマンドリン楽士になりたい~♪

という、果なき野望を抱きつつ、ぼちぼち修行しております。


今回弾いたのは…「夕べの祈り(いのり)」

「現代映畫伴奏曲集 後編」(22)夕べの祈り/mandolin


古い楽譜を紹介!

《表紙》
シンフオニー ヴァイオリン マンドリン 楽譜
SINFONIE VIOLIN OR MANDOLIN SOLOS
現代映畫伴奏曲集 後編
映畫音樂研究會編 NO.4

表紙の絵は、おヒゲのカウボーイです。バキューン!

裏表紙《奥付》
昭和二年七月一日印刷
昭和二年七月三日發行
定價 金五拾錢
編者 映畫音樂研究會
印刷發行者 草野 茂
東京市牛込區西五軒町三十四番地
發行所 シンフオニー樂譜出版社
電話牛込六九〇九番
振替東京六九一二七番

「前編」は5月発行、「後編」はその2か月後ですね。早いな!

楽譜を見てみると…
おや、前編にはなかった数字が書かれていますね。
これは、ハーモニカ用の数字譜なのだそうです。
なるほど、この楽譜ひとつで、ヴァイオリンもマンドリンも、そしてハーモニカも演奏できるってわけね!お得ですね。

(22)夕べの祈り
極く靜なる場面
又は死の場面
と、書いてあります。後編は前編のように“伴奏音楽振付解説”がないので、説明はこれだけです。

作曲者はだれ?ナゾの曲…

それにしても、楽譜に作曲者名が載っていませんねえ。
この曲について調べてみたものの、作曲者はわかりませんでした。
また、原曲の楽譜やレコードなどの音源、他の人の演奏も見つかりませんでした。
和風なメロディですが、長唄や端唄など日本に古くからある音楽とは違い、西洋音楽の技法で書かれているように感じます。
子守唄など、歌詞のある歌ではないかというご意見もいただいているので、その路線でもう少し調べていきたいと思います。
わかったらお知らせしますね!

YouTube「ikekomandolin」のチャンネルでは、「大正~昭和初期のマンドリン楽譜を弾いてみた」という再生リストも作っています。古いマンドリン楽譜を弾いています。お時間ありましたら、どうぞごらんください♪

2024/11/23

合奏が楽しいから♪旭川市民マンドリンアンサンブル 第51回定期演奏会に出たよ

あれから3週間たってしまいましたが…、マンドリンのコンサートに出た!という報告です。

旭川市民マンドリンアンサンブル 第51回定期演奏会
2024年11月2日(土)18:00開場 18:30開演
旭川市大雪クリスタルホール音楽堂
(旭川市神楽3条7丁目)
入場料 700円(当日券あり)

左:プログラム表紙 右:チラシ

旭川はBFKと同じ道北ではありますが、BFKから朝バスに乗ってNYRで40分待ち、汽車に乗り換えて昼に着くような遠さです。
それでも、夏休みと10月の日曜練習に、えっちらおっちら通いました。
だって合奏が楽しいんですもの~!

10月の日曜練習は、いつもの中央公民館が使えず、別の場所でおこなうことが3回もありました。
大雪クリスタルホールのリハーサル室だったときは、まあ知っている場所だから行けました。
その翌週はボーッとして中央公民館の最寄りバス停で降りてしまい、公民館に行ってから「今日はここじゃなかった~!」と真っ青。
そこから永山住民センターまでバス1本で行けたからよかったけどさ…旭川は都会だわ。
その翌週の東部住民センターへは、念入りに調べて行きましたよ。


11月2日、ときおり雨がパラつく日でした。
ここ最近、冷えてきていたのですが、この日は生ぬるかったです。
ステージリハーサルをしていたら、暑い暑い…。
Sさんからいただいた遠目のリハーサル風景

ステージ衣装のブラウスを家から着てきたのですが、汗だくになってしまいました。うっかり者なので予備のブラウスを持つようにしていますが、まさか冬の初めに汗をかいて着替えるとは!
髪を切ったばかりなので、パーマがほとんど残っていません。カーラーで巻いてもすぐ取れました。ヘアアレンジは ねじりハーフアップですが、わかりにくいかも…。

 

第1部
・イエスタデイ・ワンス・モア   リチャード・カーペンター作曲/遠藤秀安 編曲
・Summer   久石 譲 作曲/青山 涼 編曲
・パヴァーヌ   ガブリエル・フォーレ作曲/中川信良 編曲
・オアシスにて   エリセオ・マルティ 作曲
「Summer」は映画のテーマ曲。中間部のディヴィジョンが難しかったけれど、組み合わさるとキラキラした感じになっていい感じでした。
「オアシスにて」は何度も弾いたことのある、マンドリンオーケストラの定番曲とも言える曲です。

第2部
・ふうりんろまん   青山 涼 作曲
・狂想的間奏曲   アマデオ・アマディ作曲
・ラスト・クリスマス   G.ミッチェル作曲/武藤理恵 編曲
・最後の宇宙船   青山 涼 作曲
第2部は、「旭川メンバー」という設定ですが、ワタシも入っていました(笑)。
「ふうりんろまん」は、マンドリンとギターの二重奏。わたしたちは舞台袖でうっとりしながら聴きました。わたしも弾いてみたいな~(でも重音トレモロが難易度高そうです)。
アマディは、弾いたことのある曲でしたが、これまでより難しく感じました。個人的には、いつも弾けていたところでなぜか撃沈…。
ワム!の「ラスト・クリスマス」は、原曲よりもポップで軽快なアレンジでした。
「最後の宇宙船」は、メンバー内でもアンケートでも評判が良かった曲です。易しい曲で、しかも気持ちよく盛り上がれました。終わってもしばらく、脳内をこの曲がぐるぐる回っていました。

第3部
・大きな古時計   ヘンリー・クレイワーク作曲/武藤理恵 編曲
・君が欲しい   エリック・サティ作曲/中川信良編曲
・魔女の宅急便より「かあさんのホウキ」   久石 譲 作曲/中野 薫 編曲
・異邦人   久保田早紀 作曲/遠藤秀安 編曲
・栄光の架橋   北川 悠仁 作曲/武藤理恵 編曲
1部と3部は賛助も加わって演奏しますが、賛助の方々もみな旭川に何かしらの縁がある方ばかり。遠くから演奏に参加していただき、ありがたいことです。
「異邦人」「栄光の架橋」はみんな知っているポピュラー曲で、しかもアレンジが難しい…。
「栄光~」は練習の時、ffのバーン!にビビってサビの高音メロディに入りそこねていましたが、なんとか弾けるようになりました。メンバーの曲に対する情熱が熱く、わたしも力いっぱい弾きました。

アンコールはサザンの「TSUNAMI」。自分にとっては、アンコールが一番難しい曲でした。いかにも桑田佳祐らしい歌い回しとか、間奏とかね。
でも、直前練習をがんばったので、本番がいちばんよく弾けました!

中学校のマンドリン部関係でお世話になったN先生から、お花をいただきました。ありがとうございます!!
なんと豪華な!わたしの大荷物と比較してみて。
帰りのレトロなローカル列車(1両)のテーブルに、存在感を放っています。

演奏会終了後の打ち上げではアンケートの回覧がありました。飲食あとまわしで読みふけりました。うっかりメガネを忘れてしまったので、音読してもらいました…。
ご来場が初めての方が多く、驚きました。また聴きに来ていただければ幸いです。
マンドリン部と思われる中学生の方、またそのご家族と思われる方もアンケートを書いてくださり、ありがとうございました。社会人のマンドリン演奏を聴いて部活動への意欲につながったようで、うれしいです!
旭川の高校にはマンドリン部はありませんが、「旭川市民マンドリンアンサンブル」があります。卒業後にいっしょに弾けたらいいですね。

マンドリンを知らない人や聴いたことのない人は、まだまだ多いと思います。旭川は文化の街ですから、これからも多くの方にマンドリンの演奏を楽しんでいただけたらうれしいです。
次回の定期演奏会は、2025年11月8日(土)です。
来年も出られたらいいな~。

2024/11/16

サイレント映画の伴奏曲集♪【発見】誰の「パストラル」か、わかったよ!

2024.7.29公開の記事に、2024.11.16 さらにわかったことを書き加えました。 

「大正~昭和初期のマンドリン楽譜を弾いてみた」シリーズ、前回に引き続き、今回もサイレント映画につける伴奏のための楽譜から一曲弾きました!

「現代映畫伴奏曲集 前編」(26)Pastorale パストラル/mandolin



使用した楽譜は、今回もこれ!
映畫音樂研究會編 NO.3
「シンフオニー ヴァイオリン マンドリン 樂譜 現代映畫伴奏曲集 前編」
東京の徳尾(とくのお)書店さんから購入しました。

昭和二年五月一日印刷
昭和二年五月三日發行
定價 金五拾錢
編者 映畫音樂研究會
印刷發行者 草野 茂
東京市牛込區西五軒町三十四番地
發行所 シンフオニー樂譜出版社
電話牛込六九〇九番
振替東京六九一二七番



解説には「山野又は公園等を背景としたる靜かな場面の散策、或は田舎、田園等の氣分を表はすに適す。」とあります。
たしかに、パストラルって感じの曲ですよね。田園風とか、クリスマスの雰囲気もあります。
弾いてみて感じたのですが、なんだか楽譜が中途半端だなあと思いました。
映画音楽だから次の曲に続くようにした、ということでしょうか。それとも、元の曲が長いので適当にカットしたのでしょうか。

さらに謎なのは、作曲者はだれか?ということでした。
作曲者はだれ!?→わかりました!
【2024.7.29時点】
いろいろ調べてみましたが、ぜんぜんわからないんですよ。
誰のパストラル?どのパストラル?
SPレコードや、他の人の演奏も見つかりません。
楽譜を調べてみましたが、ザメクニックさんの編集した映画音楽曲集やオーケストラ用曲集にも入っていません。
あまり有名でなかった曲なのか?昔は売れたけれど今に伝わっていない曲なのか?それともわたしの調査が足りないだけなのか!?
今後も探します…。
   ↓
【2024.11.16追記】
ぼちぼち調べているうちに、当時のサイレント映画につける伴奏曲集を作っていたのは、ザメクニックさんだけではないことがわかりました。

 ニューヨークのG. Schirmer, Inc.(シャーマー出版社)がSchirmer's Photoplay Seriesという映画伴奏用の曲集を出版していて、1918年発行の第4巻「Schirmer's Photoplay Series, Vol.4」「Pastorale」が入っていました。
作曲者は、オットー・ランゲ Otto Langey(1851-1922)でした。
その曲集の目次には、
PASTORALE      OTTO LANGEY
(Peaceful Country Scenes or Country Life)
と書いてありました。
「のどかな田舎の風景、または田舎の生活」の場面で演奏するとよいってことね!

パート譜がたくさんあって、管弦楽のオーケストラでも、またピアノとヴァイオリンだけでも演奏できるように作られています。
その楽譜を見ると、「現代映畫伴奏曲集 前編」に載っていた楽譜は前半の繰り返し部分までで、中間部は四分の二拍子・アレグロで、テンポ・プリモでテーマに戻るようになっていました。
そっか~、やっぱりその先があったのね。


YouTube「ikekomandolin」のチャンネルでは、「大正~昭和初期のマンドリン楽譜を弾いてみた」という再生リストも作っています。古書店から購入した、古いマンドリン楽譜を弾いています。どうぞごらんください♪

この曲集には、ほかにも速い曲や怖い曲、日本風や中国風の曲などがあるので、次はそういうのも弾いてみようと思います。


そうそう、「サイレント映画の楽士になりたい!」…と、ひそかに考えていたらさ~、キタ・キネマさんの主催で、サイレント映画をピアノ伴奏で上映する会があるらしいよ!

見たい~~~。やはり札幌は文化の街ですね。

奇しくも札教大マンドリンクラブOB会のコンサートと同日の8月24日(土)で、夜は打ち上げがあるのですよー。うわー残念。

次の機会があったら、ぜったい見に行くわ!