2024/08/28

夏の愉しみ♪浴衣でおでかけ

浴衣だいすき!夏のおしゃれは浴衣ですよ。でもあまり着る機会がありません。

なぜならマンドリンの練習に行くときは、荷物が多いから。バッグを肩にかけたり背負ったりできないでしょう?

先日、マンドリンのコンサートを聴きに、札幌へ出かけました。

わたしの場合、マンドリンを持たないおでかけって、めったにありません。

そうだ、こういうときこそ、浴衣を着よう!



今回着たのは、haco!(フェリシモ)で買った、黒地に白の「麻の葉文様」。禰豆子ちゃんの着物の柄だね!
生地をよく見ると、薄手で長四角の格子状に織られています。「綿紅梅」というそうです。ミシン縫いだと、手縫いより安価になります。
これまでで一番、着付けがうまくできました!衣紋の抜き方とか、おはしょりの長さとか。
このときは一泊したので、かごバッグの他に着替えを入れたバッグを持ちました。


セットで買った半幅帯は、紫と白のリバーシブル。
帯結びは、紫をメインに「割角出し」。たれの面を変えて結んでみました。
汽車に片道3時間も乗るので、椅子にもたれてもつぶれない結び方にしました。

銀と白の三分紐に、雪柄のガラスの帯留め。札幌のキモノハナ パセオ店で買いました。
帯のアクセントに三分紐を使いたくて、後ろの結び目がかくれる帯結びにしました。

髪型は、動画を見てこれにしよう!と決めたものがあったのですが、いかんせん不器用すぎて、“くるりんぱ”すらできませんでした…。
左よりにしばっておだんごもどきにして、お花の髪飾りをさしました。

下駄は、畳表のついた「右近」という形。側面に葉の模様が彫られています。
最初に買った下駄が古くなったので、数年前に旭川で買いました。
たくさん歩くので、レース足袋をはきました。鼻緒が擦れにくくて、楽です。
足袋を履くので、少し上品になるよう、浴衣の裾を長めにして着ました。

今回行ったマンドリンのコンサートは、「ロマンツァ&ノルディコ ジョイントコンサートin札幌」。
とても暑かった8月16日、Kitara小ホールで行われました。
お客さんがたくさんいて、はからずも最前列で聴くことになりました。
ロマンツァもノルディコも、情熱的な演奏で、圧倒されました。その翌週は自分たちのコンサートなので、がんばろう!と思いましたよ。

OB会の先輩がたとお茶したあと、中島公園でひとり夕涼み。
綿紅梅の浴衣に夕暮れの風がすうっと通り、心地よかったです。

浴衣好きになったわけ

きっかけは結婚してすぐ、オットの母から浴衣をもらったこと。
それまでは浴衣を着たことがありませんでした。

2024/08/18

サイレント映画の伴奏曲集♪「ザー セクレツト オブ ザー シヱー」←この題名!?

 「大正~昭和初期のマンドリン楽譜を弾いてみた」シリーズ、最近は、サイレント映画につける伴奏のための楽譜を弾いています。

今回演奏したのは、この曲。
(25)The Secret of The Sea


使った楽譜はこれ

映畫音樂研究會編 NO.3
「シンフオニー ヴァイオリン マンドリン 樂譜 現代映畫伴奏曲集 前編」


【裏表紙下部のの奥付】
昭和二年五月一日印刷
昭和二年五月三日發行
定價 金五拾錢
編者 映畫音樂研究會
印刷發行者 草野 茂
東京市牛込區西五軒町三十四番地
發行所 シンフオニー樂譜出版社
電話牛込六九〇九番
振替東京六九一二七番

(25)The Secret of The Sea ザー セクレツト オブ ザー シヱー
Zamecnik.


前の持ち主が書いたと思われる、チェックマークがあります。
実際に演奏したのかな?

ちょっと待て、「ザー セクレツト オブ ザー シヱー」って!(笑)

英語の音声をカタカナで表記するなら「ザ・シークレット・オブ・ザ・シー」でしょう。
ヱって何さ!?ミスターイヤミが出てきそうだよ。
昭和初期の英語ヒアリングってこういう感じ!?促音「ッ」を大きく書くのは、まあわかるけどさ。
曲は漫画のキャラとは全く関係ありません。8分の6拍子で、バルカローレ(舟歌)な曲調です。
解説には、
「此の曲は水邊(みずべ)或は湖水等を背景としたる靜かなる氣分のラブシーン、又は散策等の場面に伴奏するを可とす。」
と書いてありました。

作曲は、あのザメクニックさん

「The Secret of The Sea」は、アメリカで活躍した作曲家、John Stepan Zamecnik(1872-1953)の曲です。

ザメクニックさんといえば、Sam Fox社から「Sam Fox MOVING PICTURE MUSIC」、つまりサイレント映画のピアノ伴奏曲集を4冊も出している人です。

それにしても、100年くらい前の楽譜を弾くようになってから、ずいぶんザメクニックさんの名前を見るようになったなあ。
マンドリン界におけるアマデイさんのように、ザメクニックさんは、わたしの中では超有名人!

原曲の楽譜

この曲の楽譜は、1923年に出版された「Sam Fox Library Orchestra Folio Volume 6」に掲載されています。
この曲集の表紙には、「A collection of select compositions for hotel, cafe, theatre, moving picture and concert orchestras」と書いてあります。ホテル、カフェ、劇場、映画、コンサートオーケストラ向けの曲を掲載した曲集なんですね。

そしてこの曲集の「The Secret of The Sea」という題名の下には、「From the Piano Suite “LOVE SONNETS”」と書いてあります。

へえ~「愛のソネット」という、ザメクニックさんのピアノ組曲があるんですね。他の楽章はどんな曲があるのでしょうね?


演奏音源

SPレコードや最近の演奏を探してみましたが、見つかりませんでした。

ピアノ組曲としても、今は演奏されないのでしょうか?

その代わり、Fiona Hickie's Sheet Music PreviewというYouTubeチャンネルで、編曲されたスコアとMIDI演奏を視聴できました。


The Secret of the Sea
(木管四重奏版)


The Secrets of the Sea: String Quartet
(弦楽四重奏版)

この曲についていうと、当時の映画音楽に貢献した多作なザメクニックさんだから、こうして楽譜や動画がみつかるんでしょうね。それでも、今の時代では演奏されることがほとんどないという曲が、数多くあります。
明治時代から日本に入ってきた“洋楽”を、映画伴奏音楽という方面からも受容してきたということは、興味深いですね。
そして、どうして「現代映畫伴奏曲集」は、日本人作曲家が作ったオリジナル曲が収められなかったのでしょう?なぜこの曲集が作られたのかというのも、知りたいです。


YouTube「ikekomandolin」のチャンネルでは、大正~昭和初期のマンドリン楽譜を弾いてみたという再生リストも作っています。古書店から購入した、古いマンドリン楽譜を弾いています。どうぞごらんください♪

2024/08/12

【2021年】大正15年のマンドリン楽譜♪「キャラバン」

【過去記事】こちらは2021年6月、引越し前のブログに書いた記事を再掲して加筆したものです。原曲探し、レコードやピアノロールの動画などを追加しました。

自粛期間中にインターネットで古い音源や楽譜に出会い、ついでに演奏動画を撮ることにもはまっていた時期です。

     🎼     🎼     🎼

前に、「日本の古本屋」という古書店通販サイトを通じて、古~いマンドリン用の楽譜を手に入れました。
ディープでマニアな詳細はこちら→昭和3年の楽譜を弾いてみた♪大流行曲「ティティナ」

わたしが買ったのは、ヴァイオリン、マンドリンどちらでも使える、二重奏の楽譜です。
せっかくだから、だれかと二重奏ができたらいいなあと思ったのです。
ところがここ1年続く状況により、合奏ができないまま…。
そこで、Rolandの4XCAMERAというアプリを使って、ダブルいけこで二重奏をしてみました。

「ティティナ」の次に演奏したのは、

オリエンタル・フォックストロット「キャラバン」

キャラバンというと、デューク・エリントンとファン・ティゾールのジャズの曲(1935年)が有名ですが、別の曲ですね。

こっちのキャラバンは、フォックストロット、1910年代にはやったダンスミュージックです。
前半は砂漠を隊商が行くオリエンタルな香りの曲調ですが、後半は明るく弾んで砂漠感はどこかへふっとんでしまいます。

大正15年(1926年)の楽譜です。

楽譜の表紙と裏表紙。
「VIOLINMANDOLIN DUETTS
模 範
ヴァイオリン・マンドリン二部合奏楽譜
Karavan
キャラバン
模範楽譜出版社
No.1


表紙絵は、ピラミッドにラクダを率いた隊商のシルエット、手前にヤシの木のようなシルエットと、スカーフとベールをかぶった女性のイラストです。
女性の鼻の上には何がついているんだろう?飾りかな。
「すまーふはなこ」さんのブログ「3兄弟とエジプト生活」では、「エジプト女性のスカーフ(ヘカブ)」という記事の中で、「ヤシュマック(YASHAK)」を着けた、原住民の女性(Native Woman)」という1920年頃の絵はがきが紹介されています。
それがこの絵にそっくりでした!

裏表紙は、この出版社がこれまで出したマンドリン・ヴァイオリン用の楽譜目録と、奥付。
「MOHAN EDITION OF SHEET MUSIC
Mandorin or Violin Duets.」
英語の綴りに誤記が見られます。


裏表紙の奥付。
「 定價各編 金貳拾五錢
大正十五年八月二十日 印刷
大正十五年八月廿五日 發行
編者 模範樂譜出版社編輯部
印刷兼發行者 水谷彦十郎
東京市日本橋區橘町三ノ十二
發行所 模範樂譜出版社
東京市日本橋區橘町三ノ十二


A3版を二つ折りにした4ページ仕立て。
この楽譜は、左ページが第1ヴァイオリン/マンドリン、右ページが第2ヴァイオリン/マンドリン となっております。
二人で並んで見る感じでしょうね。

Karavan (Oriental Fox-trot)
Wiedoeff - Olman. 
Arr.by M.G.S


「M.G.S」は、「模範楽譜出版社」の頭文字でしょうか。

【原曲探し】
調べてみると、作曲者は、Rudy WiedoeftAbe Olmanだとわかりました。
ということは、楽譜の「Wiedoeff」は一文字間違いでしょうね。
ルディ・ヴィードーフ  Rudy Wiedoeft (1893-1940)はアメリカのサックス奏者、
エイブ・オルマン(1887‐1984)はアメリカの作詞家、音楽出版者だそうです。

1919年に出版された楽譜
アメリカ合衆国のジョンズホプキンス大学 Johns Hopkins Universityの公開ライブラリで、楽譜を見ることができます→こちら「Karavan(Fox Trot).Song.」
1919年にシカゴのForster Music Publisher, Inc.より出版された、ピアノ伴奏と歌の楽譜です。

当時の演奏のレコード
古いSPレコードを再生した動画です。当時の曲の雰囲気が伝わります。

Joseph C Smith's Orchestra - Karavan (1920)
1920年、ジョセフ・C・スミス楽団の演奏。
とちゅうでパラララララ…と入るオブリガードが華麗だ~!

Karavan -- Fox Trot (Abe Olman-Rudy Wiedoeft) Joseph C. Smith's Orchestra (For Dancing)
上と同じレコード。

"Karavan" Fox Trot Played by Joseph C Smith's Orchestra HMV B 1174
ラベルは違いますが、上2つと同じ演奏ですね。

Karavan by Rudy Wiedoeft and Abe Olman
これまでとちょっと違った演奏。Aメロのオブリガードでチャラララララララララ~♪というフレーズあり。(ウン)チャラッ、チャラッ、チャラッ♪は、わたしの弾いた楽譜にもあります。また、ちょっとした繰り返しで、小節が増えた部分があります。

ピアノロール
19世紀末から作られ、SPレコードが普及する前に、音楽再生手段として使われたんですって。それぞれアレンジがおもしろいです!
KARAVAN - PLAYER PIANO ROLL
概要欄によると、フランク・バンタ Frank Bantaの演奏だそうです。

Karavan Played By Zez Confrey
ゼズ・コンフリーの演奏。イントロのアレンジが独特!
後半は、「マンドリン・モード」ですって。同音連打のことでしょうか。
連打音を続けるのは人間では難しく、編集されたピアノロールだからできるのだそうです。



YouTube「ikekomandolin」のチャンネルでは、「大正~昭和初期のマンドリン楽譜を弾いてみた」という再生リストがあります。
今後も、少しずつ弾いていきたいと思います!

2024/08/08

夏なので弾いてみた!青山涼「夕凪」

みなさまお元気ですか?
夏ですね!暑いですね!
北海道も暑いですよ…。

マンドリン弾いてみた動画、今回は
青山涼 作曲「夕凪」
です。


青山涼さんといえば、プロのマンドリニスト青山忠さんの息子さん。

マンドリン・クラシックギター専門店 イケガクのYouTube「イケガクTV マンドリン&ギターチャンネル」に、青山涼さんのインタビュー動画がありました。
お父様によく似てるわ~。
そして若いのにこの風格!
インタビュー動画が3本もあったのですが、この方の人となりがわかって面白かったです。
小さい頃のマンドリン練習の話とか、レトロゲームとか…。
作曲の話も、興味深く聞きました。
青山さんのプロフィールは、青山涼さんのホームページに詳しく書いてあります。



青山涼さんの曲を弾いたのは、初めてでした。

昨年(2023年)に旭川市民マンドリンアンサンブルの定期演奏会で、コンサートマスターさんとギターさんがこの曲を演奏したんですよ。

よい曲だな~と、わたしたちは舞台袖で聞き惚れておりました。

マンドリンとギターの二重奏かと思っていたら、実はマンドラパートをギターにアレンジしたのだと聞きました。

マンドリンとマンドラの二重奏かあ…マンドラだったらわたしも持っているし、わたしも弾いてみたいなあ

そう思って楽譜を探したら、「Ryo Aoyama Online Shop 青山涼 オンラインショップ 楽譜販売」にありました。

ダウンロード楽譜なのねー。今どきだわ。

片方のパートの音源というのもありましたが、けっきょくわたしは2パートとも自分で弾きました。

いつものように4XCAMERAというアプリを使って、スマートフォンで撮りました。音は加工できないけれど、まあいいのだ。


【弾いてみた感想】

きわめて個人的な感想ですが…

①マンドラパートの方が難しい

弾いてみたら、マンドラパートの方が(わたしにとっては)難しかった!

何が難しいかというと、アルペジオのポジションです。マンドラの弦はマンドリンの弦よりも太いので、押さえるのがたいへんでした。ドラ筋が必要です。

もともとマンドラを弾く人なら大丈夫なのでしょうね…。

そしてわたしの場合、複数の音を出すためのポジションを覚える→瞬時に再現するのが、ものすごく苦手なのです。押さえる指は2本までならいけます(笑)。覚えるのにけっこう必死でした。

ギターが弾ける人には楽勝かもしれませんね。

(中3の時に半年だけ「フォークソング同好会」に入っておりましたが、ギターのコードがまったく覚えられず「メリーアン」が弾けずに終わりました。今のわたしなら、坂崎さんパートを歌うのに徹するぜ!)

②流血の「夕凪」!?

マンドラパートでは、違う弦を同じフレット上でを押さえるポジションが多く、左手の人差し指と中指がひんぱんに接触します。

わたしの場合、指先が太く爪が扇のような形をしているので、2本の指が接触すると、中指の爪の端で人差し指を押すというか刺激することになるんですよ。練習すると、何度も何度も刺激されます。

動画を撮るころには、人差し指に穴があいて血が出ていました。でもばんそうこうを貼ると指がうまく動かせないので、がまんして撮りました(痛)。

撮り終わったあと、治るまで数日、楽器は弾けませんでした。

いやまあ、でもこれは爪の形によるものなので、他の人には問題ないのでしょうね…。

③シンプルなメロディを“歌う”

マンドリンパートは、難しくありませんでした。途中の重音は(わたしでも)対応可能です。

でも、シンプルなメロディほど、どう“歌う”か、考えさせられますね。

「夕凪」という表題なので、朗々と歌って盛り上げるのではなく、波がそっと引いていく感じにしてみました。

🎵    🎶    🎵    🎶    🎵

マンドラパートさえ弾ければどなたでも楽しめる曲だと思うので、みなさまも弾いてみてくださいね!

ちなみに旭川市民マンドリンアンサンブルでは、今年11月の定期演奏会で青山涼さんの「最後の宇宙船」を弾きます。こちらもすてきな曲ですよ~!