昭和初期に市販されていた、マンドリン用の楽譜を弾いてみたシリーズ!
今回弾いたのは、ザメクニックさんの「エイスターモーン」。
むむ、「イースターモーン」じゃないの!?
2025年のイースター(復活祭)は、4月20日だそうですよ。イースターにちなんで、4月20日に動画を公開しました。
忙しい時期でしたが、たまたま札幌で午前中空いたので、スタジオを借りてマンドリンの練習をしました。
普段はスマホで撮るだけですが、このときはタブレットで撮影して、録音機で録った音源を編集で合わせました。そのため、ずいぶん響きが良く聞こえます。
およそ100年前のマンドリン楽譜!
使った楽譜は、こちらです。1927年(昭和2年)発行の市販楽譜です。
当時の映画は、まだサイレント(無声映画)だったんですよね。
だから映画の説明も音楽もその場で行う、いわばライブですよ!
同じ映画でも、弁士や楽士によって、使う曲も雰囲気も変わったことでしょうね。
《表紙》
シンフオニー ヴァイオリン マンドリン 楽譜
SINFONIE VIOLIN OR MANDOLIN SOLOS
現代映畫伴奏曲集 後編
映畫音樂研究會編 NO.4
裏表紙《奥付》
昭和二年七月一日印刷
昭和二年七月三日發行
定價 金五拾錢
編者 映畫音樂研究會
印刷發行者 草野 茂
東京市牛込區西五軒町三十四番地
發行所 シンフオニー樂譜出版社
電話牛込六九〇九番
振替東京六九一二七番
《楽譜》
(3)Easter Morn
エイスターモーン
(ZAMECNIK) 悲劇、哀傷的場面
作曲者は、この時代にサイレント映画で大活躍したジョン・ステパン・ザメクニック John Stepan Zamecnik(1872-1953)。数多くの映画伴奏曲を作曲したり編曲したりしていました。
なんかね、わたし、この時代の楽譜を弾くようになって、ザメクニックさんは自分の中で超有名人になっていますよ。いけこも歩けばザメクニックに当たる。
ところがね…意外にも、もとの楽譜が見当たりませんでした。
「イースターの朝には 白百合を生けましょう」という歌詞の聖歌もありますが、それとは違う曲でした。
SPレコードやオルゴールの演奏音源も見つかりません。
ナイジェリアで演奏!
ところがね、遠くナイジェリアで演奏されているのを発見しましたよ!!
ナイジェリアにある、アポストリック・フェイス教会オグン中央本部のYouTubeチャンネルから。いずれも、イースターコンサートのライブ配信です。
2022年、2023年、2024年のイースターコンサートで、「Easter MornーOrchestra」を演奏しています。
これらの演奏を聴いてみると、この曲は、最初と最後が活気のあるマーチ風なんですね。中間部に、わたしの弾いたメロディがあります。
2022 Easter Concert 17-04-2022. Apostolic Faith Church Ogun Region
2022年のコンサート。1時間21分24秒あたりで、「Easter Morn」の演奏が始まります。
2023 Easter Concert 09-04-2023. Apostolic Faith Church Ogun Region
2023年のコンサート。1時間19分23秒あたりから曲が始まります。
2024 EASTER CONCERT 31-03-2024. Apostolic Faith Church Ogun Central
2024年のコンサート。1時間12分57秒あたりから、曲が始まります。
その年によって、演奏者の衣装がシックだったり色とりどりだったりして、興味深いですね。会場では扇風機がまわっていて、3月や4月でも暑いのかなあ?などと想像が膨らみます。
原曲の楽譜や昔の音源はみつからなかったものの、こんなに遠くで演奏されていることに感激しました。
原曲探しに進展があったら、追加しますね!