少しずつ、わたしの作った曲の紹介をしていきます。
今回は、自己紹介でもタイトルが出ていた、作曲コンクールの受賞曲を紹介します。
※作曲コンクールについては、こちらのページをごらんください→【2019年~2020年】「第26回TIAA全日本作曲家コンクール」入賞!披露演奏会に出ました
「6つのマンドリンのための“Spring”」
ながえわかこ(2019)
1.たんぽぽ色のスカート
2.曇り空に桜
3.新たな道へ進もう
編成:マンドリン1、マンドリン2、マンドリン3、マンドリン4、マンドリン5、マンドリン6
所要時間:14分
【解説】
2019年、一般社団法人東京国際芸術協会主催「第26回TIAA全日本作曲家コンクール」室内楽部門 奨励賞 受賞。
普段はマンドリン、マンドラテノーレ、マンドセロによる、小編成の曲を作っています。
このコンクールの楽器編成の規定にギターやマンドリンはありますが、
マンドラやマンドセロがなかったため、マンドリンの六重奏を作ってみようと思いました。
マンドリンだけの組み合わせで、どんな表現が可能か、試みました。
1.たんぽぽ色のスカート
明るい色のスカートをひるがえし、きゃしゃなハイヒールで、
踊るように街を歩きます。
「A」から、十六分音符二つをスイングにして弾いてください。
2.曇り空に桜
肌寒い、どんよりとした曇り空に、桜が散りゆきます。
ここでは、マンドリン1だけがトレモロで、ほかのパートはすべてピッキングで演奏します。
3.新たな道へ進もう
たくさんの思い出をかかえながら、それらを胸にしまい、その先の道へ、一歩踏み出す。
自分の選んだ道を進むのは、勇気がいるけれど、
光の先には何があるのか、知りたいから。
今、走り出そう。
動画は、Windowsのビデオエディターで作成
限られた機能を活かして作るのも、けっこうおもしろいものです。
演奏動画ではなく、風景ばかりの曲紹介動画です。
知床の風景が多いかな。あとは、常磐公園の桜とか。
マンドリンの音色の特徴を活かしたい
1楽章は、スイングするピッキングではじけるようなうきうきするような気分を表し、そこに乗っかるトレモロでさわやかな風のような情景を表そうと試みました。
2楽章は、減衰するピッキングの余韻の中に、マンドリン1だけトレモロにすることで、儚いけれど芯のある一本の糸のような音色を作ってみました。
3楽章は、6パートをちがうフレーズでモヤモヤ動かしたり、あちらこちらでパートを組み替えてハモらせたりしました。走り出したい気持ちをシンコペーションで表現し、最後は未来へ向かってジャンプします。
6パートをフルに活用したり、足し算・引き算したりして、マンドリンだからこそできる表現を目指しました。
英題にこめた思い
コンクール応募にあたって、題名に英題もつけることになっていました。
3楽章の「道」について、わたしは「way」ではなく「road」という語を使いました。
よく、「道」は「人生」に例えられます。そういう意味で、ふつうは「way」という語をつかうところです。
「road」と訳される「道」で言えば、未踏の地に自分の足跡をつけるだけでなく、先人によってすでに作られている道がたくさんあると思います。日常使っている道路って、たくさんありますよね。
でも、いつも曲がらないこの角を曲がるだけでも、一本となりの道を選ぶだけでも、これまでとはちがう新しい景色や新しい出会いがあったりします。
もしかしたら、歩く「道」を選ぶだけで、人生が変わっているのかもしれないなあ。
そんな思いから、わたしは「road」の方を選びました。
新しい道へ一歩を踏み出す若い人へ、エールを送る気持ちで書きました。
コンクールについては、別ページ【2019年~2020年】「第26回TIAA全日本作曲家コンクール」入賞!披露演奏会に出ました にあります。
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