大正~昭和初期のマンドリン楽譜の中に、サイレント映画のための伴奏曲集をみつけて大興奮!
いつかサイレント映画のマンドリン楽士になりたいと思いながら、ぼちぼち修行中です。
今回紹介するのは、
「現代映畫伴奏曲集 後編」(5)Andante Doloroso アンダンテドロロソオ/mandolin
楽士向け?愛好家向け?マンドリン楽譜
使った楽譜はこれ!1927年(昭和2年)発行の市販楽譜です。
こちらは古書店通販サイト「日本の古本屋」にはなく、メルカリで購入しました。
当時の映画は、サイレント(無声映画)だったので、説明も音楽もその場で行っていたんですって。
今考えると、かえってぜいたくにも思えるし、弁士と楽士によって映画の印象がまったく違ったものになりそうですね。
それにしても、この楽譜を使った楽士はいたのでしょうか、それともヴァイオリンやマンドリンが好きな人のための市販楽譜なのでしょうか?
《表紙》
シンフオニー ヴァイオリン マンドリン 楽譜
SINFONIE VIOLIN OR MANDOLIN SOLOS
現代映畫伴奏曲集 後編
映畫音樂研究會編 NO.4
シンフオニー ヴァイオリン マンドリン 楽譜
SINFONIE VIOLIN OR MANDOLIN SOLOS
現代映畫伴奏曲集 後編
映畫音樂研究會編 NO.4
裏表紙《奥付》
昭和二年七月一日印刷
昭和二年七月三日發行
定價 金五拾錢
編者 映畫音樂研究會
印刷發行者 草野 茂
東京市牛込區西五軒町三十四番地
發行所 シンフオニー樂譜出版社
電話牛込六九〇九番
振替東京六九一二七番
《楽譜》
(5)Andante Doloroso
アンダンテドロロソオ
(O. LANGEY)
秋の落葉、物寂しき場面
「ドロローソ」でなく「ドロロソオ」という表記に、時代を感じますね。
音符の下に書いてある数字は、ハーモニカ用の楽譜です。
作曲はオットー・ランゲ
楽譜に作曲者名が書いてあったので、原曲探しは楽でした。
作曲者はオットー・ランゲ Otto Langey(1851~1922)。
この方はもともとチェロ奏者ですが、クラリネットやトロンボーン、サキソフォン、フルートなど様々な楽器の教則本や練習曲を書いたそうです。
前に弾いた「パストラル」の作曲者ですね!→サイレント映画の伴奏曲集♪【発見】誰の「パストラル」か、わかったよ!
サイレント映画の伴奏曲
原曲の楽譜は、1920年にボストンのOliver Ditson Companyより、「Ditson's Music for the Photoplay No. 37」として発行されています。
題名は「Andante doloroso」、副題に「for scenes expressing pathetic emotion」。哀れな感情を表現するシーンに使うということでしょうか。
①ノーステキサス大学のサイト「UNT Digital Library」でパートごとの楽譜が見られます
こんなにあるんかい!?
そんなに大勢で映画の伴奏をしなくても、ピアノとあと何かのパートを組み合わせれば曲として成立しそうです。
おっと、ピアノの次のページに、オルガンパートもあるのね!
予想していましたが、わたしの弾いた楽譜は、原曲の3分の1程度の長さでした。
他の人の演奏がみつからない…
YouTubeで見かけるのは
・ランゲさんが書いた各種楽器の教則本や練習曲の演奏(けっこういろいろある)
・ランゲさんがオーケストラ用にアレンジした曲の演奏
・「Mexican Serenade(Mandolina)」の演奏
↑メキシコ…?マンドリン…?まあいいでしょう。
でも「Andante doloroso」については、現代の演奏もSPレコードも見つかりませんでした。
いや~、もちろん動画に上がらない演奏も世の中にはたくさんあると思いますが、みつかるものとみつからないものの差がはげしいな!ザメクニックさんは数多くあるのに…。
今後も探してみますね。
ほかにもいろいろ弾いたり、原曲を探したりしています。
このブログの「大正~昭和初期のマンドリン楽譜」の記事や
ikekomandolinのYouTube再生リスト「大正~昭和初期のマンドリン楽譜を弾いてみた」、
お時間ありましたらごらんください。
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